海は、水惑星地球の象徴であり、地球上のあらゆる生命のみなもとです。海は、様々な物質とエネルギーを運び、そこに成り立つ生態系を育んできました。また、私たち人類は、海のめぐみを享受すると同時に、海の厳しさを乗り越えることで繁栄してきました。
2013年及び2017年に国立科学博物館で開催した特別展「深海」では、極限環境である深海を探査する人々の挑戦や、そこで暮らす様々な深海生物や深海研究を紹介しました。そして2023年夏、私たちの身近にある「海」の誕生から現在について、多様な生物や人と海の関わりを紹介し、さらには海との未来を考えていく特別展を開催します。(公式サイトより)
テーマ「海」
2013年と2017年に開催された「深海展」。2017年の方は確実に行っていて、おそらく2013年の方も行っています。
特別展 深海~最新研究でせまる“生命”と“地球”~/国立科学博物館/2017.09(←こちらが2017年の深海展の感想です)
どちらの記憶ももううっすらとしか残っていませんが、「ものすごく混んでいた」という記憶だけはうっすら…いや、しっかり残っている気がしています。それくらい海がテーマの特別展はとにかく混む!という印象が私の中にはあり、今回も覚悟を決めて行ってきました。が、そこまで混んでいなかった気がします(平日に行きました)。夏真っ盛りのこれからが本番なのかもしれません。
深海がテーマであった前の2つと違い、今回は「海」がテーマです。広いです。海は広いな大きいな。
(↑魅惑のピカイア)
海の始まり、生命の始まり、海に生きる者たち、人間との関わり、海のこれから、地球の未来…。ちょっと挙げてみただけでもこんなにたくさんのテーマが海の中にはあります。海は広いです。
なので、この展覧会はとてもさっぱりとした印象を受けました。これだけテーマが広く大きいのだから当たり前だと思います。ひとつひとつ突き詰めていたら大変なボリュームになります。
(↑アクアマリンふくしま所蔵のインドネシアシーラカンス実物…!!初めて見ました!)
展覧会の始まりは海の始まり。最初のエリアは照明も暗めでまだ生き物もほとんどいなかった頃の海を表しているようでした。
そこから少し進み、「海と生き物のつながり」のゾーンに入ると、一気に視界が開けて明るくなります。未知なる海で暮らす生き物たちの多様な姿が年々解明されてきていることを表しているかのような…、もしくは広大な海をそのまま表しているかのような…そんな感じがしました。とても好きな会場構成でした。科博の展覧会感想ではいつも会場の話をしている気がする。
(↑ホホジロザメ。迫力大)
(↑ナマコたち。センジュナマコのぬいぐるみが大人気だそうですよ)
日本人は海に馴染みがある人も多いと思います。世界を見ると一生海に触れずに生きる人もいそうですが、日本人は触れる機会が多いのではないかと思います。
私自身、小さい頃から海は近くにあった気がします。物理的距離ではなく精神的距離の話です。物語、歌、いろんなところで海に触れ、いろんなところで海の生き物に触れてきました。
展覧会の最後の方でも触れられていましたが、あまりに身近すぎて、あって当たり前だと思っていたかもしれません。テーマがテーマなので最後は「私たちにできることは~」的な流れになるのは必然だと思いますが、改めて「地球…海…すごいな」という感情が湧き出てきました。
なんというかもう…色々奇跡的ですよね。宇宙があって地球があって海があって生き物が生まれて…。
博物館の良いところの一つに「自分という存在の小ささを感じさせてくれるところ」があると私は思っています。良い意味で自分の小ささを実感できるんです。この展覧会を通じて、改めてそう感じました。海は広い。
話は変わりますがこちら↑の写真、無人探査機「ハイパードルフィン」の実物です!!最大で4,500mまで潜ることができ、カメラで撮影したりサンプルを採取したり、色々なことができる熱い機械!
パッと見るとわかりませんが、近くで見ると塗装がはがれていたりキズがあちこちにあったりと、目の前にあるこの探査機が本当に深海に行ったんだ…ということを実感できてワクワクしました。
海は広く、大きく、未知で、ロマンで、常に人間と共にある存在なんだと思います。これから先もずっと…良いお付き合いをしていきたいですね。
おまけ
おまけの科博めしコーナー。
今回の特別展記念メニューはとてもお洒落です。「海老ニューバーグ ガーリックバターライス添え 白桃の冷たいクリームスープ付き」!!メイン料理も美味しかったのですが、人生初の白桃スープが新鮮でした。桃のスープですよ桃。
さらに!こちらも記念メニューの「ハチミツとココナッツのブラマンジェ」です!!ブラマンジェって何だろう(ホテルオークラのホームページがわかりやすかったです)。夏らしい爽やかな青、優雅に泳ぐパインのクジラ!これぞ…海!!!ということで、さっぱりしていてとても美味しかったです。底にタピオカが沈んでいてワクワクしました。
特別展「海 ―生命のみなもと―」Special Exhibition The OCEAN -The Origin of Life
恐竜博2023
科博のディスカバリートーク、その他色々
特別展「毒」
WHO ARE WE 観察と発見の生物学
化石ハンター展
特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」
木組 分解してみました
植物 地球を支える仲間たち
加速器 -とてつもなく大きな実験施設で宇宙と物質と生命の謎に挑んでみた-
小惑星探査機『はやぶさ2』、東日本大震災から10年
大地のハンター展
メタセコイア-生きている化石は語る-
国立公園 -その自然には、物語がある-
『時』展覧会2020
特別展「和食」
絵本でめぐる生命の旅
特別展ミイラ
風景の科学展 芸術と科学の融合
恐竜博2019
ビーズ 自然をつなぐ 世界をつなぐ
大哺乳類展2
日本を変えた 千の技術博
特別展 昆虫
特別展 人体 神秘への挑戦
特別展 深海~最新研究でせまる“生命”と“地球”~
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