ユキシロ日記

ゲームのプレイ日記をメインに、博物館、美術館、音楽など。雑多な趣味ブログです。

WHO ARE WE 観察と発見の生物学/国立科学博物館/2022.09

国立科学博物館では、およそ490万点ほどの膨大な標本を有していますが、その多くは収蔵庫に保管され普段は公開されていません。本展覧会は、その収蔵庫の中から世界屈指の動物標本コレクションとして知られる「ヨシモトコレクション」を中心に、選りすぐりの哺乳類などの標本を日本各地の博物館等で展示することを目的に制作した巡回展示を、当館で特別に開催するものです。

テーマは「観察の眼、発見の芽」です。“声なき標本たち”の姿を通して、見つめる眼(観察)と見つける眼(発見)を育み、他の動物との意外な共通点、私たちの日常とのつながりなど、標本にまつわる学びや問いを発見することができる展示となっています。(公式サイトより)

私がこれまでに観てきた科博の企画展の中で一番好きです。博物館に行った時の楽しさやワクワク感、頭に浮かんでくる疑問、喜び、畏れ、いろんな感情が沸き出てくる素晴らしい企画展でした。

いつもと違う企画展

公式サイトの説明にありますが、この企画展は元々地方を巡回するために生み出されたものです。1年前くらいから地方を巡っていることは知っていたのですが科博でやってくれるとは思っていなかったので、それほど興味を持っていませんでした。

科博でやってくれて本当にありがとうございます!最高でした。こんなに素晴らしい企画展とは思いませんでした!!何もかもが良かった。

科博の企画展は日本館1階のこのエリアで行われることがほとんどです。ここで行われてきた様々な企画展をこれまで観てきましたが、まず初めに照明の雰囲気が違うことに驚きました。この部屋の照明がこんな色だったことが今までありましたか!?私が知る限りありません。そして企画展のエリアに足を踏み入れるとポツンポツンと儚げなピアノの音が聞こえてくる。なんですかこの演出は!!この部屋の企画展で音楽(というより音)がこのような使われ方をしていたことがありましたか!?私が知る限りありません。

なんだこれは…。私が知っている科博の企画展とちょっと違うぞ…。と、入った瞬間に思いました。

博物館らしからぬ展示

企画展の名は「WHO ARE WE(私たちは 誰なのか)」。いきなり哲学きた。そわそわワクワクした気持ちになりながら進むと、初めに「哺乳類とは何か」という問いに出くわします。上の写真の下半分は哺乳類が哺乳類とされるための要素が紹介されています。これらが揃えば哺乳類となるわけです。…。でもこの企画展はそういうことを私たちに教えたいわけではなさそうな気がします。

展示物の展示方法が斬新で面白く、老若男女がワクワクする作りになっていたと思います。大きく四角い木箱のような物体のあちこちに、上の写真のように飛び出ている部分があります。何やら言葉が書かれていますがこれだけでは何が言いたいのかよくわかりません。

引き出しになっている飛び出た部分を引っ張ってみると、展示物が出てきます。…展示物の解説は最小限、言葉でこれらを解説することが目的ではないということがよくわかります。引き出しを開ける前のワクワク感、最高に良い高揚感でした。

最小限の解説と書きましたが、その解説も博物館の展覧会によくあるような感じではなく、なんというか…文学的な文章というか…説明なのに問いかけてくるような…こちらの疑問をさらに増やしてくるような…。私は展覧会の解説文を読むのも好きなのですが、この企画展で触れた文章は芸術的な雰囲気があって非常に気に入りました。こういうのもアリなのかと思わせてくれました。

哺乳類と一言で言ってもその種類はたくさん。特徴も様々。会場内は「へ~」と思わせてくれるような展示ばかりで、私はヒト以外の生き物のことを全然知らないんだなぁと改めて思いました。いや…ヒトのこともよくわからないかもしれません。私たちは誰なのか…。

余談ですが、数年前大哺乳類展2に行った時の感想でもヒトとは…のようなことを考えていました。定期的に考えてみたくなるテーマなのかもしれません。

WHO ARE WE

自由に見学できるとはいえ観る順序も一応示されています。上の写真は一番最後に観ることを想定されているものですが、これだけは最後にした方がいいと個人的には思いました。この引き出しの中に書かれていた言葉も最高に良かったし、上の部分に書かれている「ヒトは想像する生き物」という言葉も最高に良い。そう、私もそう思います。こういう展覧会を生み出すことができる、それがヒトだと。

「WHO ARE WE」で始まり「WHO ARE WE」で終わる展覧会。答えはどこにも書かれていません。自分で考えるきっかけを与えてくれる、そしてさらにわからなくなる。そんな企画展でした。

そしてこの企画展、Vol.01と書かれています。Vol.02、Vol.03、さらにその先まで。期待しています!アンケートも書いてきました。是非続編を…!!

私と国立科学博物館

私は数年前から科博のリピーターズパス(年パスのようなものです)を持っています。ここ数年でできなくなってしまいましたが、昔は仕事帰りにふらっと科博に寄ってから帰ったり、突然化石が見たくなって行ったり、そんな贅沢な日々を送っていたこともあります。

私を博物館好きにしてくれたのがこの国立科学博物館でした。博物館ってなんて楽しいところなんだろう!と思わせてくれたのもここです。この企画展を体験して、当時(年パス所持を決めた頃)の気持ちを思い出しました。やっぱり科博が大好きです。

博物館に来て様々なものに触れる度、自分の小ささを実感します。地球や宇宙のことを考えると自分という存在はあまりにも小さく塵のようなもので、この世界に生きる生き物たちのことを考えるとヒトだけが優れているわけではない。自分の小ささや弱さを実感するのが快感というか…変な言い方ですがそれが楽しくて仕方ない、博物館の好きなところはこういうところです。

これからも科博に通いたいと改めて思いました。良い企画をありがとうございます。

 企画展「WHO ARE WE 観察と発見の生物学」国立科学博物館収蔵庫コレクション | Vol.01 哺乳類 

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