江戸時代の傑出した出版業者である蔦重こと蔦屋重三郎(1750~97)は、喜多川歌麿、東洲斎写楽といった現代では世界的芸術家とみなされる浮世絵師を世に出したことで知られています。
本展ではその蔦重の活動をつぶさにみつめながら、天明、寛政(1781~1801)期を
中心に江戸の多彩な文化をご覧いただきます。(公式サイトより)
大河ドラマは見ていませんが行ってきました!
蔦屋重三郎展
浮世絵そのものや絵師に焦点を当てる展覧会はたくさんありますが、その裏方…プロデュースや出版の分野で活躍した人物が注目されるのは珍しいことだと思います。
蔦屋重三郎、恥ずかしながら知らない人物でした。
今年の大河ドラマの主役になっているこの人物、ドラマでどんなふうに描かれているかも実際どんな人だったのかも私にはわかりませんが、この展覧会を観て…すごいやり手だったんだろうな~という感想を持ちました。
今で言う敏腕プロデューサーというやつでしょうか。
喜多川歌麿や東洲斎写楽、絵を見ればああこれね!となる人がほとんどであろうと思うくらいの有名人。そんな人たちの才能にいち早く目を付け、人気になるための売り方を工夫する。流行りにはもちろん敏感で、その流行りを利用してさらなるブームを生み出す。
当時江戸で大流行していた狂歌(滑稽や皮肉、社会風刺などを込めた、五・七・五・七・七の和歌)に、それまでは文字だけだったところ絵師が描くイラストを挿絵のように掲載して販売したというエピソードを見て、それは売れるわ~と感心しました。今なら当たり前かもしれませんが、今までなかったことをやる人は凄いです。
(基本的に会場内は撮影禁止でしたが大河ドラマと連動した最後のコーナーは撮り放題!)
必然的に浮世絵てんこもりな展覧会、江戸の様子を映し出す浮世絵の数々は観ているだけでも面白いですが、今回はその後ろにいる作者自身、そしてさらに後ろにいる蔦屋重三郎といった「作品に関わった人間」に思いを馳せることができる良い展覧会だな~と感じました。
(すごく見辛くてすみません…)
現在トーハクで開催中のいろんな企画、こんな感じ↑なのですが…蔦屋重三郎祭りと言っても過言ではないじゃないですか!!いや、浮世絵祭りと言うべきか。江戸祭りでも良いかもしれない。
「特別展にちなんで~」という名目でありとあらゆる企画をやっている…さすがトーハク…!
同じ日に観てきたこちら↑もすごく良かったです!!
イマーシブシアター 新ジャポニズム
というわけでこちらも観てきました。※蔦重展とは別料金なのでご注意を
はるか1万年以上前から、日本の風土の中で、独自の美意識が受け継がれてきました。
縄文土器、はにわ、絵巻、鎧兜、浮世絵、さらには世界で人気のアニメまで。
NHKの高精細映像と技術を結集したイマーシブシアター「新ジャポニズム」。
東京国立博物館が所蔵する国宝や重要文化財を中心に織りなす日本文化のタイムトラベルを大迫力の映像でお楽しみください。(公式サイトより)
日本文化に受け継がれる「美意識」を軸に、縄文から現代までをでっかい画面と綺麗な映像で振り返ろう!というような感じでした。
最近流行り?のイマーシブシアターです。体験型〇〇とかとか没入型〇〇という言い方もされますが、博物館や美術館においては、自ら展示空間に入って展示空間ごと楽しむ、みたいなやつのことを言うんだと思っています。
(撮影できます)
当然のように映像は綺麗で臨場感(立体感?)が凄くて楽しかったし、まさか日本のアニメのコーナーでポケモンが出てくるとは思わなかったので(ポケモンオタク)びっくりして面白かったのですが、割高感は否めないなぁ…とも思いました。
日本の文化の歴史なんて突き詰めたらどこまでも行けそうなテーマで、それを約25分で振り返るのは超スピード展開になるしかなく、出てきたいろんな文化に対して表面をなぞっただけ…というような印象が残りました。
会場内は座って鑑賞するためのイスが用意されていて、私が観た時は外国人観光客の皆さん含め全員ここに座っていたのですが、このタイプの展示空間は立って歩き回って好きな場所から好きな画面を観る方が面白いと思います。
一度入場したあとはいつまでいても良いようだったので私はムービー2周分観させてもらいましたが、2週目は立って動きながら観ました。いろんなところから観た方がやっぱり楽しいと思います。
イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~
おまけの博物館飯
祝!初めてのトーハクレストラン!!
ずっと行ってみたかったトーハクの敷地内レストラン「ゆりの木」で、特別展記念メニューをいただいてきました!吉原遊郭で産まれその後出版業で成り上がった蔦屋重三郎にちなみ、出世魚である鰆を使った料理…とのこと。鰆もパンもデザートも全部美味しかったです!!
浮世絵現代
博物館に初もうで、VR作品 国宝 松林図屏風
朗読会「夏の夜の怪談話」
特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」
150年後の国宝展、博物館に初もうで、松林図屛風
国宝 東京国立博物館のすべて
特別展「ポンペイ」
体感! 日本の伝統芸能、その他色々
国宝 鳥獣戯画のすべて
「正倉院の世界 皇室がまもり伝えた美」「文化財よ、永遠に」「人、神、自然」
名作誕生-つながる日本美術
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