2021年12月10日。ものはっぱさん(いろんなリンク)のピアノ配信ライブがありました。この会場で行われる配信ライブも見慣れてきましたが、今回はジャズオンリーということで、並々ならぬ期待を抱きながら視聴ボタンをクリックしました。(リアルタイムが無理だったので後から聴いています)。聴きながら書いているので実況のような書き方?になっております。
MonoHappa Premium Jazz Live - 公式ストア
ライブ感想
新解釈アレンジ
オープニングは「Autumn Leaves」
イントロ部分(?)でこの曲だと気付きませんでした。今回のライブはプレミアムということで普段とは少し違うライブになる予定…的なことを前々からご本人が言っていたので、そのへんも期待していたのですが、一曲目から普段とはちょっと違う何かを感じました。
イントロだけでなく全体的に不思議な感じ…私はコードのことはわかりませんが聴いたことのない感じがするのはこのあたりが絡んでいるような気がします。左手のリズムかっこいい…!
「Fly Me to the Moon」
ファンクっぽくアレンジしたというこの曲が2曲目。ファンクってなんだろう…(こっそり調べましたが長い解説ばかりでよくわかりませんでした。考えるな感じろということですね)。
また不思議な左手!不思議な音の重なり!!この感じ好きです!!!テンポは一定なのにふわふわした雰囲気があるアレンジですね!前衛的な感じもしました。
「Over the Rainbow」
バラードきた~!!!スペシャルバージョンらしいですよ期待大。
あ、これはスペシャルだ。このアレンジも初めて聴くような気がします。またお洒落なアレンジしてる…!まさかの転調もあり。オズの魔法使いは見たことがないのですが、この曲がどんな場面でどんな風に使われいるのか、いつか見てみたいなぁとこの曲を聴く度に思います。
「All The Things You Are」
はっぱさんの配信やその他諸々に出会ったことにより認知した曲です。今では大好きなジャズ曲のひとつとなりましたが、出だしから…調が…違うんですけれども!!!!(びっくり)そうかこういうのもありなのか。この調も良いな…。普段の調は夜を感じる気がするのですが、今回のは朝や昼も合っているように思いました。爽やかさアップ。
さて、ここまでは普段弾いている曲の「新解釈」ということでした。もう割とお腹いっぱいで満足感がすごいのですがライブはまだ続きます。
Bill Evans特集
ご本人の思い入れも強いというBill Evans、いろんなジャンルからつまみ食い形式でライブを行うことが多い(気がする)はっぱさんが一人にスポットを当てるのは珍しいですね。私自身は名前と少しの曲くらいしか知らなかったので、半生の振り返り解説が嬉しかったです。
自分でも調べてみたのですが後半生は薬物中毒など様々なことがありボロボロだったとのこと…。それでいて残した音楽・名演の数々…ジャズが好きな人なら当たり前のように知っていることなのかもしれませんが、この人についてこんなに思いを馳せたのは初めてでした。芸術の世界には後半生で病んでしまう人が多い気がします(偏見)。この作品は本人が大変な時に作られたものなんだ…等の背景を知ることにより受け取る側もより深い鑑賞体験ができるのかも…と私は思っています。
「Waltz for Debby」
幼い姪のデビイちゃんに捧げられたというこの曲、可愛らしいメロディーと軽やかなリズムが印象的です。個人の好みとしてはそこまで好きな曲ではないのですが、聴いていると気持ちが軽くなるような感じがします。明るい曲ですよねとても。
「Time Remembered」
初めて聴きましたがすごく好きな雰囲気です。つかみどころがない感じとはっぱさんは表現していましたが確かに…浮いているような感じがしますね。演奏後に「よくわかんない曲」って言った…笑。奇遇ですね、私もこういう曲大好物です!!!!!
「The Two Lonely People」
この曲も初めて聴きました。曲が作られた背景を知ると、ただ物悲しく美しい…というだけではなく強い感情が沸き出ているような感じもします。2つ前のWaltz for Debbyと次にくる曲を合わせたように感じる部分もあって、不思議な気持ちになりつつやっぱりこの人の音楽なんだな、とも思いました。
「Turn Out the Stars」
そして最後は亡くなる数日前にも弾いていたというこちら。私はこの曲もはっぱさんの演奏により認知しました。演奏前にタイトルを言わなかったですね、粋なトーク…!(と思ったのですが意図的ではなかったようです…笑)
きっちりと音がはめこまれているような綺麗さではなく、どこか雑多で音もごちゃごちゃと多い…なのに綺麗!というタイプの美しさだと思います。正直この曲を聴いている時に抱くこの感覚がなんなのか自分でもわかりません。でも大好きです。
~ここで自分語り~
Bill Evans特集、すごく良かったです!!壮絶な人生…と私が勝手に言ってしまっていいのかわかりませんが、どう考えても順風満帆ではなさそうな人生を送ったBill Evans。時代を追いながら演奏してくれたはっぱさんのピアノと解説を聴きながら、私は今年9月に行ったゴッホ展のことを思い出しました。有名な画家ゴッホも人生色々あって精神を病みながらもたくさんの美しい作品を残しました。両者は似ているところがあるのかもしれない…と思いました。芸術家というのは…難儀なものですね…。
後半
「Curtain」
ここで「ジャズの」オリジナル!!ジャズの!!!オリジナル!!?!?!??
ああああ!!!!好きです。やっぱりはっぱさんのオリジナル好きです。浮遊感はもちろん聴いていて心地よいという感覚があるのですが、聴く時間帯や場所によって感じ方が大きく変わりそうな曲だなぁと思いました。はっぱさんのオリジナル曲はスルメなのでリピートしていく間にも変わりそうな気がします。初めて聴いた時の感想としてはちょっと不思議な柔らかさを感じました。これがどう変わっていくか自分でも楽しみです。タイトルも素敵ですね!
単体の動画もあったので貼らせていただきます。一枚(枚?)のカーテンをメインに時間帯や背景が動いていくようなムービーのBGMとして使いたいです(言っているだけです)。
「Spectrum」
そして次の曲もオリジナル、5年ほど前に作曲された曲とのこと。こちらは配信でもよく聴く気がするので馴染みがあります。はっぱさんのオリジナル曲は、こういうスタイリッシュで動きのある感じかもしくはCurtainのようなふわふわ美しいかんじか、この2パターンかなと勝手に思っています。どっちも好きです!(余談:この2つの要素を併せ持っていると感じる「空梯子」が好きすぎます)
「The Christmas Song」
季節ピッタリな曲がきました。非常に落ち着いていて温かみのある曲、癒しのクリスマスソングだと思います。もう子供でなくなってしまったからか、ルンルン感のあるクリスマスソングよりこういうしっとり系のほうが沁みるようになってきました。この配信は24日までアーカイブが残るとのことなので、クリスマス寂しくてもこれを聴けば問題ないですね!やったね!!…。
「When You Wish upon a Star」
最後の曲はもちろん「星に願いを」。ですがこのアレンジも初めて聴くかんじのまったりふわふわ不思議お洒落系でしたね!元々かなり好きな曲ですがはっぱさんのライブで毎回聴けて本当に嬉しいです。良い曲はいつになっても何回聴いても良い曲なのです。
まとめのような何か
ライブ配信発表時から「Premium」「いつもとは違います」のようなことを言っていたのでかなり大きな期待はしていましたが、その反面ジャズは普段からよく弾いている印象があったのでどのような違いを出してくるのだろう…特別感を出すのは難しいのでは…とちょっと思っていました。
しかし実際に聴いてみると全然違いましたね!空気感から違いました。Bill Evans特集が特に良かったです。これまでほとんど考えることもなかったBill Evansの人生、それに伴い生まれてきた名曲の数々、今後Bill Evansの曲を聴く時は今までとは違った感覚で聴くことになると思います。
音楽に限らず芸術鑑賞の醍醐味のひとつとして、いろんな物事に思いを馳せながら何かを感じ取り満足感を得る、ということがある思います。今回のライブはそれを感じることができました。とても良いライブでした!ありがとうございました。
過去に書いたものはっぱさん関連の感想↓
【雑記27】MonoHappa Piano Collection Vol.1、Vol.2を聴いた感想
ものはっぱさん 2.7thソロライブ感想(と配信ライブについて)
ものはっぱさん 2.5thソロライブ(とネットピアニストや娯楽について)
------------------------
音楽ライブやコンサート感想のまとめは【こちら】からどうぞ