ユキシロ日記

ゲームのプレイ日記をメインに、博物館、美術館、音楽など。雑多な趣味ブログです。

六本木クロッシング2025展/森美術館/2025.12

 

「六本木クロッシング」は、森美術館が3年に一度、日本の現代アートシーンを総覧する定点観測的な展覧会として、2004年以来、共同キュレーション形式で開催してきたシリーズ展です。

第8回目となる今回は、森美術館のキュレーターに加えて国際的に活躍するアジアのゲストキュレーター2名を迎え、「時間」をテーマに、国籍を問わず日本で活動する、もしくは日本にルーツがあり海外で活動するアーティスト全21組を紹介します。(公式サイトより)

時間とは…

森美術館が3年に一度開催する企画とのことですが、私は今回が初めてです。

本展の副題「時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」が示すのは時間の貴さと儚さ。各作品に現れるさまざまな時間の交差をとおして、日本のアートを多角的に見つめ直します。(公式サイトより)

「時間」がテーマのようですが、またとんでもなく深淵なテーマを持ってきたな~と思いました。人ひとりの人生をかけても掴めないような…いや、この世界を生きる者で「時間」とはなんであるか、わかっている者はいないのでは?と思います。

なので、たくさんの作品がありましたが「時間」の捉え方は当然アーティストによって違い、それゆえ統一感のない展覧会だな…というのが私の一番の感想です。

ただ、この「時間」というテーマを抜きにすると、いろんなアーティストのいろんな表現や考えに触れることができて良かったなと思ったので、決してつまらない展覧会ではなかったとここで書いておきますね。行って良かったです。

印象に残った作品

(A.A.Murakami 「水中の月」)

展覧会のメインビジュアルにも使われているこちら。暗いひとつの部屋に大きい機械のようなオブジェ、しだれた木の枝ように見える先からは白いシャボン玉が生成されては落ち、流れていく…。

私が好きな色しかない空間でとても心地良かったです。証明や壁に映る影の感じも好きで、しばらくこの空間を味わっていたいと思える作品でした。この作品が一番「時」を感じたかもしれません。静かな空間でぼ~っと白いシャボン玉を観ていると、必然的に時の流れを感じさせるような…そんな気がしました。

(和田礼治郎 「MITTAG」)

森美術館といえばこの部屋!六本木の街並みを見渡せるこの部屋に置かれた謎の物体。この作品は今回の展覧会でここに置かれることを想定して作られた作者の新作だそうです。

2枚のガラス板の中にはブランデーが入っていて、セピア色のようなブランデー越しに見る六本木の街並みに、不思議な感覚を覚えました。作品を観ていると時が止まっているように感じるけれど、窓から夜景を見下ろせば人々は動いていて時も同じく動いている。この場所ならではの作品だと感じたし、今という時を感じることもできたような気がして好きでした。

(木原共 「あなたをプレイするのはなに?-ありうる人生たちのゲーム」)

他人の人生をプレイすることができるゲームを体験してきました。プレイヤーがAIで生成された統計的に日本に存在しうる架空の「誰か」の人生を追体験する、というゲームです。他人の人生において大きな選択(就職とか結婚とか)を自分が決められる。何を選んでも良いのですが、気付けば自分だったらこっちの方が良いだろうという選択肢を選んでいました。

サクッと遊べて楽しかったのですが会場に3台しかなかったので混んでいる時は体験できない人が多そうだなと思ったことと、このゲームが森美術館の企画展の作品として並んでいることがすごく不思議でした。Steamにあってもおかしくなさそうだし、Steamにあったとしたらこのゲームを説明する文章は森美術館のものとは全く違う風になるだろうな、と思いました。

まとめのような何かとおまけ

ここで取り上げなかった作品にも好きなものがあって、ごちゃごちゃした印象を受けはしましたが楽しかったです。3年に一度ということは次回開催は2028年ですね。この展覧会にもAIが使われた作品がいくつかありましたが、次回はもっと増えているかも。世の中も変わっているだろうし、3年後が楽しみですね。

六本木クロッシング2025展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠 | 森美術館 - MORI ART MUSEUM

六本木のクリスマスは相変わらずギラギラしていました。どうしてかわかりませんが私はこの時期に六本木(というより森美術館)に行くことが多いです。

ルイーズ・ブルジョワの「ママン」にもご挨拶。ブルジョワ展に行ってからもう1年経ちます。今年1年もあっという間でした。2025年に行く美術館は今回が最後になりそうです。来年もいろんな美術館に行けますように。

 

森美術館 他の展覧会感想

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