ユキシロ日記

ゲームのプレイ日記をメインに、博物館、美術館、音楽など。雑多な趣味ブログです。

ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会/森美術館/2023.04

本展では、現代アートを美術や図画工作といった教科の枠組みから解き放ち、「国語」、「社会」、「哲学」、「算数」、「理科」、「音楽」、「体育」、「総合」の8つの科目別のセクションで紹介します。作品を通して未知の世界に出会い、学ぶ、まさしく美術館がすべての人に開かれた「世界を学ぶ教室」となる展覧会です。また、今回は小企画展の展示室も使い、1,800㎡を超える展示スペースで大規模に展開します。(公式サイトより)

前置き~森美術館と私~

森美術館、開館20周年おめでとうございます!

私は今回を含めて5つの展覧会に行ったことがあります。中でも2019年開催の「未来と芸術展」は自分の興味関心にクリティカルヒット。今回のワールド・クラスルームの開催情報を知った時、未来と芸術展に似た雰囲気を感じたのでかなり前から楽しみにしていました。

行ってきた感想としては、想像通り似た雰囲気でした。が、今回の方が難解で複雑だったと思います。

初めに「単に最先端のアートを展示するだけでなく、世界各地のアーティストによる現代アートを通じて世界を多角的に見るための幅広い視点を提供したい」(要約)というようなミッションについて書かれていましたが、この美術館が掲げる高い目標、矜持、それらは私がこれまでに行ったことのある展覧会の企画内容からも強く感じてきました。

大げさな言い方ですが、森美術館に行くと試されているような感覚になります。本来はもっと気楽にアートに触れて良いのだろうし、美術館側もそれを望んでいるような感じはするのですが、ここに来ると自分の感性や物事を受け取る力が鈍っていないか、そんなことを考えざるを得なくなるのです。

展覧会の感想(ふんわり)

会場に入ってすぐ「混沌」へようこそ。という感じでした。最初から最後までそんな感じでした。現代アートは意味がわからんと思う人も多くいると思いますが、まさにそんな感じ。

(李禹煥 「対話」「関係項」森美術館所蔵)

公式サイトにあるように「国語」や「算数」といった学校で習う科目に分けて作品が紹介されています。途中で「哲学」が出てきておお!!となりましたが、よく考えたらすべてが哲学だったような気もします。

芸術は大昔から哲学とは深い関わりがあって、世の中で常識とされていることや固定観念を根底から疑ったり見方を変えて物事を捉えようとしたりする現代アートも、哲学的な要素を多く含んでいると思います。

会場内のパネルに「多くの作品は複数の科目に関連している」と書かれていた通り、この作品はテーマが〇〇っぽいから国語!みたいな振り分け方はあまりにも難しいし乱暴すぎるし、ここにある展示物は既存の枠組みを飛び越えていくような作品ばかりなので、こう言ってはアレですがこの企画…作り上げるのがすごく難しそうだなぁよくやったなぁと感じました。すみません偉そうな感じになって…。

(宮永愛子 「Root of Steps」作家蔵)

映像作品も多く、ひとつの映像が20分くらい…それ以上あるものも多く、がっつり全て鑑賞しようと思うと相当な時間がかかります。おそらく途中で集中力も切れると思います。

映像作品の中で私が印象的だったのは「音楽」の科目のセクションにあった「二度の4分33秒」(マノン・デ・ブール)です。ピアニストがピアノの前に座りますが一向に弾こうとせずたまに譜面をめくって最後に礼をして終わる映像です。聞こえるのは外で降っている雨音のみ。同じシーンで違うカメラワークの映像が続き、それを見たところでこの作品は終わります。言葉で説明するのが難しすぎますね…。

解説パネルを読みましたがそれでもよくわからない。上記の映像作品は、この不思議な映像を見せられて無言になっている私たち鑑賞者の沈黙部分まで含めて作品として解釈できるのだそうです。今これを書いている自分も何がなんだかわからなくなってきましたが、妙に印象に残る映像作品でした。

これに限らず「私は一体何を見せられているんだろう」と思う作品が多かったです。それぞれ解説パネルがあってそれっぽいこと(これはこれを表していて~的な文章)が書かれているのですが、それでもよくわからないんです。

しかし確実に言えることとして、どの作品も製作者の強い意思のようなものは感じました。私にはよくわからないけれどきっとこの作品は何か伝えたいことがあるんだ。そう思いました。

いや、もしかしたらそう思わせられているだけかも…?展覧会会場という場所で現代アートとして展示されているから何かメッセージ性があるものだと勝手に思い込んでいるだけなのかも…しれません。

(ヤン・ヘギュ 「ソニック・ハイブリッド─デュアル・エナジー」森美術館所蔵)

常識を疑う、当たり前にあるものは本当に当たり前なのか。現代アートはそういった凝り固まった考え方を柔らかくしてくれるものだと思います。作品を観て何を感じるかは人それぞれ。これは意味がわからない、不快だと思うのも自由。

しかしこうして「何かを考える」きっかけになるのだとしたら、現代アートの展覧会を観に行く意味は十分にあると思います。

綺麗にまとめようとしていますが全然まとまっていない…。何が書きたいのかもわからない…。

まとめのような何か

私はこの美術館の観客に媚びる姿勢が感じられないところが好きです。(来場数を増やすための過剰な宣伝、企画内容との共通点が見出せない無理やり感のあるコラボ、とにかくグッズを売りたがる…等がない)。美術館も持続させるためにはお金が必要でしょうから、これらが良いか悪いかは何とも言えないんですけどね…。

この展覧会も正直なところ万人受けするとは思えません。元から現代アートが好きな人しか行こうと思わないのではないかなぁと…。あ、これ面白そう!行ってみたい!と思えるほどのパンチの強さがあまり感じられないのと、実際行ったら意味不明(難解)な作品のオンパレードなので…。

ですが私は好きです。他人にオススメし辛いのが何とも難儀なことですが、ちょっとでも現代アートというものに興味があるのであれば…!是非行ってみてほしいなと思います。広くて天井が高くて解放感のある綺麗な美術館です。是非。

おまけのような何か

最後まで何が書きたいのかよくわからないフワフワ感想文になりました。この美術館の展覧会の感想はいつも書くのが難しく異様に時間がかかります。

それでも私は感想を残しておきたい!フワフワでも!

そして他の人たちがどのような感想を抱いたかを知りたいです。人によって感じ方が絶対に変わってくるタイプの内容だと思うので、自分以外の人が何を感じたかということに興味があります。

まだ始まって数日なので今は少ないでしょうが、今後もコソコソと人様の感想を漁ってみようと思います。私は自分が体験したことの感想を書くのも好きですが読むのも大好きなのです。

森美術館開館20周年記念展 ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会 | 森美術館 - MORI ART MUSEUM

森美術館 他の展覧会感想

------------------------

美術館関連の感想まとめは【こちら】からどうぞ

にほんブログ村 その他趣味ブログ 多趣味へ
ランキング参加中です。気が向いたらクリックお願いします