ユキシロ日記

ゲームのプレイ日記をメインに、博物館、美術館、音楽など。雑多な趣味ブログです。

モネ 連作の情景/上野の森美術館/2023.10

印象派を代表する画家のひとり、クロード・モネ(1840-1926)は、自然の光と色彩に対する並外れた感覚を持ち、柔らかい色使いとあたたかい光の表現を得意とし、自然の息遣いが感じられる作品を数多く残しました。

同じ場所やテーマに注目し、異なる天候、異なる時間、異なる季節を通して一瞬の表情や風の動き、時の移り変わりをカンヴァスに写し取った「連作」は、巨匠モネの画業から切り離して語ることはできません。(公式サイトより)

100%モネ

公式サイトに「国内外40館以上のクロード・モネ作品を厳選」と書かれています。出品目録を見るとそのことがよくわかります。本当に世界中のあらゆる施設からこの展覧会のためにモネの作品が来てくれています。

私は展覧会を主催する側のことは全然わかりませんが、これほど集められたのは凄いことだと思います。この展覧会、ほかの展覧会と比べてもチケット料金がお高めな設定です(土日祝3000円、平日2800円)。正直ちょっと怯みましたが「連作」を取り扱うために多くの施設に声をかけて絵画をお借りするということを考えると、このくらいの金額になるのもやむなしか…と思いました。

宣伝等に使われている展覧会のメインビジュアルには「100%モネ」の文字があります。これは自信の表れだろうと思います。モネの作品だけをこれだけ集めました!という。展覧会に行って何を感じるかは人それぞれですが私はこの展覧会、行って良かったです。

モネ作品を楽しむ

会場に入ってすぐ、謎の足場を通ることになります。睡蓮の庭を連想させる謎の足場は上を通ると不思議な感覚が足に伝わってきて面白い演出でテンションが上がりました。上野の森美術館の展覧会はこの最初のスペースをどう使うかに注目するのも良いかもしれませんね。毎回違って面白いです。

(クロード・モネ 「チャリング・クロス橋、テムズ川」 リヨン美術館)

そんなに詳しくありませんがモネの作品が大好きです。何を観ても美しい絵画!!という感じで心が洗われるような気持ちになります。私は自分で絵を描かないので色彩や技法のことはわかりません。ですが、モネの作品は近くから観ても遠くから観てもどこから観ても綺麗で凄いな…といつも思います。

上の写真、写真で見ると全然わからなくて悲しいですが、実際に自分の目で観ると本当に綺麗で、どうやってこの色を生み出しているんだ…と驚きます。モネ作品はいろんな色を混ぜているというよりいろんな色をバラバラに配置しているような塗り方をしていますが、どうしてこのやり方でこんなに綺麗に見えるのでしょう…どうなっているのか全然わかりません。でも綺麗。なんだかわからないけど綺麗。

(クロード・モネ 「睡蓮」 ロサンゼルス・カウンティ美術館)

モネの「睡蓮」はたくさんあって、この美術館の近くにある国立西洋美術館の常設でも大きくて迫力のある美しい「睡蓮」を観ることができますが、こういう感じの睡蓮は初めて観ました。大きな絵画の一部を切り取ったような…拡大して切り抜いたような…そんな感じがしましたがこういうのも良いですね!

ゴッホ展を観た後ここに来ているのでどうしてもゴッホの人生と比べてしまうのですが、モネは画家としては割と成功した方…だったんですね(私の感覚です)。86歳まで生きて精力的に作品を生み出しているし、晩年は睡蓮の池を自分で造るくらいですからね。若い頃から絵画の表現方法など熱心に探究していたそうですし、絵を描くことが人生だったんだろうなと思います。

この展覧会で良いなと思ったことは「連作」というモネが探究したの表現方法を真正面から取り扱ったことはもちろんですが、全体的にわかりやすい展示の仕方だったこと、「印象派」「サロン」といったモネに関わる言葉の説明がちゃんとあったことも良かったと思います。

美術館によっては解説パネルに平然と出てくる印象派という言葉について詳しい説明がないまま進んでいくところもあります。私もまだ理解しきれていないくらいですが、わからない人は本当にわからないですよねこのへんの知識。やっぱり「わかる=楽しい」に繋がると思うので、美術好きなら当たり前に知っているようなことでも説明してくれる姿勢には好感が持てるな、と思いました。

そこにある風景を絵に描く。時間を変えてまた描く。季節を変えてまた描く。今そこにある景色はその時しかない、そんなことをモネが考えていたかはわかりません。しかし、モネの風景画に対する向き合い方が好きだな~と改めて思いました。

モネ 連作の情景

 

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