ユキシロ日記

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恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造/上野の森美術館/2023.06

人類誕生のはるか以前、地球を支配していた恐竜。19世紀の化石発掘を機に、復元図を通して一般に認知されるようになりました。以来、この古代生物に魅せられた我々は、化石などの痕跡から想像をはばたかせ、絵画を主な手段として失われた世界を創造してきました。

従来の恐竜展の主役は化石ですが、本展では太古への限りない憧憬が込められた「パレオアート(古生物美術)」のロマンあふれる世界へとご案内します。(公式サイトより)

パレオアート

恐竜はロマン!恐竜大好き!!な私ですが、「パレオアート」という言葉は初めて知りました。訳すと「恐竜絵画」「古生物美術」等になるそうで、化石などの学術的根拠に基づいて描かれた絵のことを指すそうです。

会場に入ってすぐ、迫力のあるパレオアートが迎えてくれました。この時点で既にワクワクが止まりません。思えば私は昔から恐竜図鑑に描かれた恐竜のイラストを見るのが好きでした。古生物に関わる書籍もイラストがたくさんあるとテンションが上がるので好きです。

この展覧会は巡回展で、東京会場の前に神戸で開催されていました。なので情報はかなり前から出ていたと思いますが、首を長~くして待っていましたよ!絶対に自分が好きな展覧会だと行く前からわかっていたからです!

「恐竜展」といえば最新の研究が紹介され、展示物も化石だったり骨だったり、そのような内容が多いと思います。しかしこの展覧会に化石の展示はありません。骨もないです。そこにあったのは、恐竜に対する人々の熱いパッションでした…!!

人々の想像/創造

(ズデニェク・ブリアン 「ダンクルオステウスとクラドセラケ」ドヴール クラーロヴェー動物園蔵)

上の絵画、良すぎる…好きすぎる…。ダンクルオステウスは現在まで頭部の化石しか見つかっていない古生物なので、頭部より下がどうなっているかは誰も知りません。

なので、この絵も想像ということになるのですが、ごつごつして強そうな頭部に対してなんだか弱そうな(すみません)下半身…。え?と思うかもしれませんが頭部の化石しか残っていないということはボディ部分は柔らかかったのでは?という説もあるそうなので、しっかりそれを反映させて描かれているのだと思われます。よい…とてもよい。

この展覧会では、古生物や恐竜が人間の手によってどのように描かれてきたか、どのようにそのイメージが伝わり広まってきたか、という歴史を辿ることができます。

パレオアートを描いてきた人たちは、時代が進むにつれどんどん明らかになる恐竜の姿を、その都度正確に…時には想像力を駆使して描き残してきました。

(注意書きが恐竜のおてて…LOVE…)

かつて彼らが描いてきた恐竜のイメージは現実とは違っていることも多いです。しかし、私たちはいつの時代も学術的な研究結果よりもっと身近な「イラスト」によって恐竜に親しみやロマンを抱いてきたような気がします。

この先技術はもっと発展し、わからなかったことも明らかになっていくはずです。その時、昔この恐竜はこんなイメージで描かれていたんだよ~ということも後世に残していって欲しいなぁと思いました。

(かつてのイグアノドン。化石発見当時、手の親指はツノだと考えられていたそうです。フォトスポットなので一緒に写真が撮れますよ!)

科学が真実を明らかにするものであるとするなら、芸術は想像を広げるものであってほしいなと、ぼんやりと思いました。

数か月前、上野の森美術館からすぐ近くの科博で開催中の「恐竜博2023」に行ったばかりなので、その時の記憶と合わせてより深く恐竜に思いを馳せることができた気がします。

特別展 恐竜図鑑 | 失われた世界の想像/創造 (kyoryu-zukan.jp)

 

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