ユキシロ日記

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深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」/上野の森美術館/2021.12

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金魚の持つ神秘性に魅了され、創作を続ける深堀隆介。透明樹脂にアクリル絵具で金魚を描くという、独自の斬新な手法で注目を集める現代美術家です。

極めて独創的な深堀の技法は、器の中に樹脂を流し込み、その表面にアクリル絵具で金魚を少しずつ部分的に描いていき、さらにその上から樹脂を重ねるというものです。

深堀は、国内はもとより今や世界的にも高い評価を受け、近年ではライブペインティングやインスタレーションにも力を入れ、表現と活動の幅を広げています。(公式サイトより)

この展覧会は全国各地を巡回していたのでかなり前から気になっていたのですが、やっと東京に来てくれました!…なんてことを言いつつ、私は美術館に行くのは好きですがアーティストのことは全く詳しくないので、深堀氏についても一切知りませんでした。それでも何か惹かれるものがあってずっと行きたいと思っていたのだと思います。

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展覧会名からホームページから、何から何まで「金魚」がいることからもわかるとおり、長年金魚を描き続けてきた人です。会場内にもたくさんの金魚が泳いでいました。作品の解説文はご本人ものということで(凄い!)、何を思ってこの作品が作られたのかということもわかってとても良かったです。

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会場内は写真撮影できるコーナーがいくつかありました。深堀氏の代表作(?)である「金魚酒」と名付けられた升に入った金魚シリーズ、10年ほど前から毎年いろんなパターンで作られた作品が並んで展示されていました。素人の分際で失礼ながら書かせていただきますが、毎年どんどん技術が向上している…!と感じました。初期の頃は平面の要素が強かったのに近年の作品は立体に見える…!!金魚も年々生き生きとしてくるというか…生きている感が年を追うごとに増しているような感じがしました。

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アクリル樹脂を器にいれて固め、その上に絵を描いていきまたアクリル樹脂をいれて固め…という工程を繰り返してできるという面白い作品の数々、透明だからか何度も重ねて作っているということが一目では全然わからないので、非常にリアルな透明(水)の中を泳ぐ金魚たちがそこにいました。

あまりにもリアルなので少しゾッとするような感覚を覚えたのも不思議な体験だったように思います。生き物が生き埋めにされているような…。もちろん描かれた金魚なのでそんなことはないわけですが、それくらいリアルで現実的なものを感じました。リアルとは何か…そんなことも考えました。

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深堀氏が何故こんなにも金魚という存在に魅せられているのか、そんな彼と金魚の出会いが会場内で説明されていたので興味深く読んだのですが、人はいつどこで何に出会うか本当にわからないものですね。たまたま出会った何かに人生を動かされる、そんなことが実際にあるんだろうなぁと、会場内を泳ぐ金魚たちと深堀氏の解説を読みながら思いました。

深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」<オフィシャルサイト>

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