ユキシロ日記

ゲームのプレイ日記をメインに、博物館、美術館、音楽など。雑多な趣味ブログです。

Material, or/21_21 DESIGN SIGHT/2023.08

普段の生活の中で接する「もの」のほとんどは、人によってデザインがなされています。私たちがものについて考えるときに、誰かが意味付けをした素材について意識を巡らすことがあったとしても、マテリアルにまで立ち戻ることはほとんどありません。

私たちとマテリアルのつながりを、地球をめぐる果てしなく広大な物語から読み解き、再発見を試みる本展がマテリアルの織り成す新しい世界を感じるきっかけとなれば幸いです。(公式サイトより)

事前にサイトを見て概要を読んだのですがこの展覧会がどんなものだか全然わからず、マテリアル?もの??素材???という疑問符をたくさん浮かべながら今回も行ってきました。私がとても好きなタイプの展覧会でした!(ここに来るといつも言っている気がする)

マテリアルとは

(↑入り口付近にこれがあります。キャッチーです)

私が好きなタイプの展覧会とは、良い意味で頭の中をぐちゃぐちゃにしてくるような、観る側に問いを投げかけてくるような、感情を乱してくるような、そんな展覧会です。この施設に来るのは5回目になりますが、テーマは違えど毎回そんな感じです。好きです。

マテリアルの本来の意味は、材料、素材、題材、などですが、ここでは特定の意味を持つ前の状態のものを「マテリアル」、意味づけされたものを「素材」と定義しています。

(↑石を使って彫刻作品を作る人は石の声を聞く、みたいな話を聞いたことがあります)

そこにある泥に「意味」はないかもしれないけれど、人はそれを使って泥だんごを作る。泥だんごの元となったそれは泥というマテリアルから、泥という素材になったのである。人間が意味を与えることによって。

みたいなことをずっと考える感じの展覧会でした。この感想は感覚とノリと勢いで書いているので訳が分からないと思いますがそんな感じだったんです。

(どの段階から道具なのか…いつから道具は道具となるのか…)

「物とは何か」「意味とは何か」みたいな問い…やっぱり哲学じゃないですか!またこの施設は哲学の問いを出してきて…!!いつもそうだよ!!好き。

私はそういうテーマが好きなのでそういう視点でこの展覧会を観ていますが、人によっては見方も色々だと思います。デザインを勉強している人やクリエイティブなことを日常的にやっている人は刺激的なことが多いのではないかと思います。物作りは哲学。アートも哲学。

脚立としての意味がなくなった脚立。それは脚立と呼べるのだろうか、もはや脚立ではない何か…なのかもしれない。

この場所は外(と言うより中庭のような場所)ですが、この方向から見ると後ろにある高いビルと繋がっているように見えました。意図的な配置だと思いますがこういうの好きです。

これは、マテリアルを使うのは人間だけではないかも、という展示です。カラスは巣作りにハンガーを好んで使うそうです。曲がるという点が使いやすいのだそうです。

「人間もマテリアル」と書かれています。人間の髪の毛はウールの性質とほとんど同じで、海外では毛髪の産業化に取り組み始めた企業もあるのだそうです。人間もマテリアル…か。マテリアルとは…。

まとめのような何か

21_21 DESIGN SIGHは決して広くない施設ですが、展覧会の度に姿が変わる感じがして本当に楽しいです。

今回は空間の下半分しか使われていないような展示構成になっていて、展示物のほとんどは床に直置きされていました。壁にかかっているものも台の上に置かれたものもほぼないです。

さらに、解説パネルが書かれた木の板も床に置かれています。ちょっと読みにくいです。常に下を向いていないといけない展覧会だったので首が痛い人にはきついかもしれません。

ですがこれらもおそらく意図した上での展示方法だと思われます。地面に置かれたあらゆるマテリアル(いや、意味を与えられているのでここで言う素材か…?)は、地に足を着けて地球のマテリアルとの付き合い方を考えてみませんか?というメッセージのようなものがあるのかも、と思いました。

どうやって勧めたら良いのかわからないですがオススメしたい展覧会でした。

21_21 DESIGN SIGHT | 企画展「Material, or 」 | 開催概要

 

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