本展では、世の中に深く影響を与えるデザインを「The Original」と定義し、紹介します。ただし、ここでいう「The Original」は必ずしもものづくりの歴史における「始まり」という意味ではありません。多くのデザイナーを触発するような、根源的な魅力と影響力をそなえ、そのエッセンスが後にまでつながれていくものです。(公式サイトより)
あんなデザイン、こんなデザイン
非常にシンプルなタイトルの展覧会ですが、「デザイン」を軸とするこの施設らしい内容でとても面白く興味深いものでした。
私たちが日々なにげなく使っているアレやソレ、いろんなところで目にするアレやソレ。今まで考えたことがありませんでしたが、言われてみればこのデザインは他に似たようなものを全然見ないな…そのデザインがあまりにも優れているから他が出てこないのかも…?
例えば上の写真。使ったことがあるかどうかは別として、ほとんどの人が見たことはあると思います。塩や胡椒をゴリゴリするやつです。ほかにも色々あって「レゴブロック」や「醤油さし」なども紹介されていました。
この展覧会では「確かな独創性と根源的な魅力を備え、純粋さ、大胆さ、力強さを持つもの」を「The Original」と定義しています。なんだかすごい定義のように思いますが、展示されているものを見ていくと確かにここにあるものはそうかもしれない、と思いました。多くの人に影響を与えるデザイン…確かに、みたいな。
(↑見た瞬間好きになった照明。良すぎる…欲しい…)
何かを「創造する」人にとっては特に、この展覧会はとても刺激的だろうなと思いました。0から1を生み出すことを仕事もしくは趣味で行っている人たちのことです。私のようにそれらを行っていない人間でも見ているだけでゾクゾクするような「デザイン」が会場には溢れていました。こんなの見たことない…!なんだこの発想は…!というような。
突飛なデザインから当たり前のように日常に馴染んでいるデザインまで色々あります。そのどれもが輝いて見えました。他者に影響を与え、後世まで残る。そんなものを生み出すことができたらどれほど素晴らしいだろう…と、生み出す側の人間ではない私でもそう思いました。そんな展覧会でした。
会場内ではいろんな椅子が紹介されているのですが、中には座ることができる椅子もあります。上の写真がそれです。もちろん座ってきました!どちらもパッと見た感じ座り心地が良いようには思えなかったのですが、これがなかなかお尻にしっくり来たんです!!皆さんも是非座ってみてもらいたいです。日常的に使うものはデザインが良ければ良いというものではないし、使い心地が良いところも含めて「良いもの」なんだな、と実感しました。
オリジナルとは
巷ではすっかりAIが浸透したように思います。私は使用したことがないので詳しくわかっていない部分も多いのですが、AIに絵を描いてもらったりAIに文章を作ってもらったりAIに作曲してもらったり…ということは遠い世界の話ではなく、日常になりました。
そんな世の中なのでこのテーマ「オリジナルとは?」は、まさに今問うべきものなのかもしれません。
個人的にはAIを使った遊びについては何が楽しいのか全然わかりません。自分で生み出さず機械に生み出してもらう、ということの面白さがわからないんです。AIに生み出してもらったものを自分のものだと言う人も出てきているそうで、もう理解不能の域です。それで良いのか?と思います。人間としてのプライドはないんですかね…?
(↑建物の雰囲気も良いんですよねこの施設)
これから先、AIと人間の関係がどのようになっていくのか、とても興味があります。一度出てきた技術が消えることはないので、人間はAIとの付き合い方を考えていかざるを得えない時代が来ました(もう随分前から来ていたような気もしますが…)。
彼らは似たようなそれっぽいものを早く大量に生み出すことが得意なんだと思います。対して人間は「オリジナル」を生み出せる可能性を持っていると思います。
未来、どうなっているんでしょうね。自分が生きている間のことではなくもっともっと遠い未来まで残るデザインとはどのようなものか。興味がありますがそんなに長く生きられませんね…。身の回りにあるもののデザインを意識しながら生きることくらいならできるかもしれません。案外すぐそこにあるものが最高のデザインなのかも。
21_21 DESIGN SIGHT | 企画展「The Original」 | 開催概要 (2121designsight.jp)
ゴミうんち展
未来のかけら: 科学とデザインの実験室
もじ イメージ Graphic 展
Material, or
「2121年 Futures In-Sight」展
ルール展/21_21 DESIGN SIGHT
トランスレーションズ展/21_21 DESIGN SIGHT
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