ユキシロ日記

博物館、美術館、音楽、ゲーム等の感想、その他書きたいことを書くことにしています

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トランスレーションズ展/21_21 DESIGN SIGHT/2020.11

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21_21 DESIGN SIGHTという施設

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こんな場所が六本木にあったことを知りませんでした。森美術館、森アーツセンターギャラリー、国立新美術館、(ここと同日に初めて行ったサントリー美術館)、六本木エリアにある美術館と位置関係は少しわかってきたと思っていたのですがまだまだでした。

便宜上美術館カテゴリーに入れてしまいましたが、ここは美術館というかんじではないですね。サイトを見るとこの施設は「デザイン」を通じて日常と密接に関わることをテーマとした展覧会等の企画を行っているということです。上の写真は中の様子なのですが、この無機質な感じとても好きです。コンクリの建物って良いですよね。東京ミッドタウンの中に含まれているような扱いですが、割と「外に」あります。外です。外にあります。

トランスレーションズ展 

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トランスレーションズ展です。トラNsれーショNs展と書くのが正しいのかもしれません。

本展では、ドミニク・チェンの「翻訳はコミュニケーションのデザインである」という考えに基づき、「翻訳」を「互いに異なる背景をもつ『わかりあえない』もの同士が意思疎通を図るためのプロセス」と捉え、その可能性を多角的に拓いていきます。

この展覧会には「わかりあえなさ」をわかりあおうという副題がついています。「わかりあえない」ことが前提とされている!素晴らしい!と、まずは思いました。なんでもそうですが、わかりあえると思うから疲れるんです。わかりあえないことを前提とすれば無駄に疲れることも減るのではないかと私は思います。人間関係とか。人はわかりえない、そこからがスタートです。

翻訳とは

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というのは置いといて、まずはこちらの展示。中央のマイクに向かって何か言うとそれを瞬時にいろんな言語に翻訳してくれるというものです。小心者なので私はほかの人が喋っているところを隅のほうで眺めていました。

なんの疑問も持たずに翻訳サイトを使っている私ですが、よく考えると翻訳サイトって凄いですよね。機械が「翻訳」をしてるんですよ。何故そんなことができるのでしょう。という疑問に答えてくれるような解説も書かれていました。わかってもやっぱり凄いと思います。

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こちらは「翻訳できない世界のことば」という本からいくつか紹介されていました。 翻訳できない言葉…これまでの人生の中であまり考えたことがありませんでしたが、かなりたくさんあるみたいです。そう考えると言葉って全く万能でもなんでもないんだなぁと思いました。自分の気持ちを伝えるために言葉を用いているわけですが、それですら完全ではないんですね…。語彙が豊富とかそういう話ではないんですね…。考えさせられます。

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日本語からは「木漏れ日」が紹介されていました。木漏れ日と聞いて多くの日本人は情景を浮かべることができると思うのですが、これ翻訳できない言葉なんですね!!確かにすごく細かいニュアンスかも。面白いな~。

翻訳できない世界のことば [ エラ・フランシス・サンダース ] 

交流の手段

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この写真に写っている道具は聴覚障害者が振動により音を感じることができるというものです。実際に触ってみることができます。この道具を付けて真夏の公園にでかけた聴覚障害者が生まれて初めてセミの鳴き声を体験したという話が書かれていました。

何年か前に働いていた職場で聴覚障害者の人と一緒にやっていた業務があって、その人は口の動きを見てある程度の言葉を理解できるということで私は普通に喋っていたのですが、ほかの方法として筆談したり社内チャットで会話をしたりしていました。私は彼女と働く上でやりづらいことは特になかったのですが、彼女はどうだっただろう…とふと思いました。マスクをしている人が喋っていることは全くわからないと言っていたことも思い出しました。元気にしていると良いなぁ。

わかりあえない存在が交流するということ

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この展覧会は、わかりあえないはずの他者同士が交流するプロセスを「翻訳」としているため、展示内容はとっても多岐にわたっていました。わかりあえない他者同士とは人間ではないことも…。

例えば左の写真のように植物だったり右の写真のようにぬか床だったり。わかりあえない存在とわかりあいたいという思いから研究を重ねている人がたくさんいることに感動しました。私もいつかオオサンショウウオ(好きな生き物)と交流したいです。こう言って失礼だったら申し訳ないのですが、イグノーベル賞の香りを感じました。

わかりあえない、だからこそ

思っていたより展示会場が広くなく、こんなもんか~と最初は思っていたのですが、実際に色々見て回ると内容が面白くて結構な時間が過ぎていました。

思えばこのブログ、自分の思っていることを残しておきたいという動機でスタートしたのでした。気持ちを伝える手段として「言葉」を使っていますが、自分の気持ちを100%正しく言葉で表せているかと聞かれるとちょっと疑問が残ります。さらに言えば、私は日本語以外の言語はわからない…。もしかして自分の伝えたいことって他者にまったく伝わっていないのでは?なんてことを考えてしまいました。そういう展覧会でした。

そもそも自分の考えていることは他者にはわからない。わかりあえないことが前提。だからこそこうして人は頭や技術を使って様々な手段で他者と交流しようとしている。なんだか人間の底力というか、大きな可能性を感じました。そして、拙くても自分の気持ちを言葉にするという行為は続けていきたいなと思いました。 

www.2121designsight.jp

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