ユキシロ日記

ゲームのプレイ日記をメインに、博物館、美術館、音楽など。雑多な趣味ブログです。

キュビスム展—美の革命/国立西洋美術館/2023.10

20世紀初頭、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックという2人の芸術家によって生み出されたキュビスムは、西洋美術の歴史にかつてないほど大きな変革をもたらしました。

この度、パリのポンピドゥーセンターからキュビスムの重要作品が多数来日し、そのうち50点以上が日本初出品です。日本でキュビスムを正面から取り上げる展覧会はおよそ50年ぶりです。(公式サイトより)

キュビスム?ああ…ピカソのアレ…??

くらいの知識しかない人間が行ってきましたキュビスム展。「キュビスムとは何か」ということも知らない人間にとって、多少のとっつき辛さは感じましたが、歴史を古い方から辿っていく流れだったので「軌跡」をさっくり理解することはできた気がします。

(パブロ・ピカソ 「ギター奏者」 ポンピドゥーセンター所蔵)

展覧会感想

「キュビスム」でネット検索すると色々出てきます。統一してくれ…!と言いたくなるくらい色々。一言でキュビスムとは〇〇です!と言い切ることが難しい概念ということなのかもしれません。芸術運動と表現しているところが多いようです。

それまでの美術はそこに何が描かれているかわかるのが当たり前でした。しかしキュビスムの作品は違います。今までの常識を覆したという点で大きな意味を持ち、後世への影響もものすごかった、という点からこの展覧会名には「革命」という言葉が使われています。

(ジョルジュ・ブラック 「果物皿とトランプ」 ポンピドゥーセンター所蔵)

今までのやり方と違うやり方を試す、その道へ進んでいく。それがどれほど大変なことかというのは外から見るとなかなかわかりにくいものだと思います。

この展覧会は歴史的背景と共に作品を紹介するという構成だったので、当時のパリの様子、当時の美術界の動き、キュビスムがどのように評価されてきたか、といったような作品の背景にも触れてくれていました。当時の評論家や画商の動きについても資料を用いて触れてくれています。

おかげで、展示されている作品に対して「こういう背景の元で描かれたものなんだな~」という向き合い方(?)をすることができて、解像度を高めた状態で鑑賞することができた気がして、そこがすごく良かったなと思いました。

(マルク・シャガール 「墓地」 ポンピドゥーセンター所蔵)

この展覧会を経て、やっぱり芸術は歴史と深く繋がっているんだな~と強く実感しました。ただそこにある作品を眺めて楽しむのも芸術鑑賞の良さだとは思いますが、歴史との繋がりを知れば知るほど面白いんだろうな、と知識がほとんどない私は思いました。

ただ、これが芸術鑑賞のハードルを上げている要因だろうとも思うのでなんとも…。難しいですよね…歴史や宗教や哲学やその他さまざまな要素と絡んでいる美術史、興味がある人は良いですがない人は本当にないと思うんです。そういう人たちがこのタイプの展覧会を楽しめるかと言われるとどうだろう…と思ってしまいます。

(フェルナン・レジェ 「タグボートの甲板」 ポンピドゥーセンター所蔵)

今はわかりやすく解説してくれている記事や動画もありますが、それだって多少興味がないと能動的に情報を得ようとはしないでしょうからね…。日曜日の真昼間に行った割には人が少ないなと感じたのですが、やっぱりとっつき辛さはありますよね…。

個人的にはキュビスムのようなデザイン性の高い…というか見た目がお洒落がな感じがしてなんかかっこいい!と思える絵画はとても好きです。

おまけのような何か

美術館飯コーナー。国立西洋美術館のレストラン「CAFÉ すいれん」には何度か行ったことがありましたが、今回念願の「ル・コルビュジエ プレート」をいただいてきました~!ずっと気になっていたんです。コルビュジェと言えばこの美術館の設計者であり、今回のキュビスム展でも取り上げられていました。お洒落ランチはテンションが上がって良いですね!

そしてこれ。「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?
——国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ 」という長すぎるタイトルの展覧会が来年開催されるそうです。

国立西洋美術館が存在意義を自ら問うような企画を行うということで、これはちょっと…いや、すごく気になります。なんでも「現代美術」を取り扱う予定なのだとか。国立西洋美術館が…過去の美術ではなく現代の美術を…!!この美術館には西洋美術のイメージしかないですが、かなり思い切った挑戦のように思います。楽しみです!

【公式】パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ|国立西洋美術館

 

国立西洋美術館 他の展覧会感想

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