ユキシロ日記

ゲームのプレイ日記をメインに、博物館、美術館、音楽など。雑多な趣味ブログです。

【雑記45】宇宙がテーマのCD「音ノ銀河」を聴いた感想

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~音ノ銀河について~
サクソフォン奏者Sumikaさんの3作目となるCDアルバム。ソプラノサクソフォンの多彩な音色が宇宙に響く。
私たちが星や惑星に抱くキラキラしたイメージと同時に、行ったことのない未知なる世界、少し不思議で神秘的な要素が多分に含まれていると感じる。

以下、公式サイトです。(サイトからして美しい)

sumichannel.com

曲の感想(全体)

収録曲ひとつずつ感想を書こうと思うのですがその前に全体について少し。このアルバム、宇宙でした。次のアルバムのテーマが「宇宙」になると知った時、広いテーマを選んだなぁと思いました。宇宙と聞いて何を思い浮かべるか…星、惑星、宇宙飛行士、宇宙開発、宇宙人…かなり広いテーマだと思います。

CDを手に取りすべての曲を頭から一周聴いた時点で私の中に出てきた言葉は「未知」でした。全体的に無重力のふわふわ感があるように感じたのですが、宇宙に行ったことのない私にとってはこの無重力がそもそも未知の世界です。前作のテーマ「雨」は日ごろから馴染みがある現象ということもあり地に足が着いた感じがしましたが、今作はまるで違う雰囲気を持っていました。ふわふわしているんです。掴みどころがない…と言えるのかもしれません。それはまさに「宇宙」でした。

そして、今作も強い物語性を感じました。その物語はどこかに書かれているようなものではありませんが、自分の頭の中に物語が浮かんできて止まらない、そんな感覚になりました。私はそういう音楽が大好きです。

曲の感想(個別)

1. 流星群前夜 – Dusk before Meteors swarm

 

なんて良いタイトルなの…。曲を聴いた上で言いますがこのタイトル良すぎませんか…最高に好きです。と言うのも、曲と合っているんですタイトルが。今にも何かが始まる前のような雰囲気がある曲なんです。静かな空気の中にソプラノサクソフォンとピアノの音だけが聞こえてくるのですが、この何とも言えない静けさが何かの始まりを感じさせます。

そして中間部のもわぁあぁあぁんんんんという吹き方(?)、ここで私は宇宙に連れていかれた気分になりました。ピアノの高音と低音、その中間にサックスの音が入っているような感じで、この不思議な空気感がとても気に入りました。この曲が一曲目で大正解だと思います。完全に掴まれました。

2.月夜に霞む – Hazy Moonlight

 

2曲目も静かな曲ではありますが1曲目のソワソワする静けさとは違い、こちらは温かく落ち着いた雰囲気を持った曲です。とても綺麗な曲ですね。月をイメージして作ったと公式サイトの解説にありましたが、月…良いですね…大好きです。月の明かりは眩しすぎず、でも確かに明るくて温かい。そんなイメージがそのまま音楽になったような感じがしました。

3.彗星のダンス – Ballet of Comets

 

ここで雰囲気がガラッと変わります。7分以上ある曲です。速めの3拍子で始まり途中でテンポをはじめ雰囲気も変わるという面白い曲です。最初に聴いた時に吹くのすごく難しそうだな…と思いました。おそらく実際難しいと思います。一度聴いただけでは掴みづらい変拍子、ですがこういう曲は何度も聴いていくうちにハマっていくもので、私も聴く度に掴めてきて好きになっている自覚があります。サックスとピアノが踊っていますね。

余談。この曲の解説に2ndアルバム「音ノ雨」の作曲者である水谷さんの影響を受けていると書かれているのですが、わかる!!!!…となりました。冒頭からそんな感じがします(特にピアノの部分)。わかりすぎるくらいわかります。

~組曲「星を掴みに出掛けた音楽家たち」- Harvest of Stars Suite~

1~3曲はSumikaさんご自身の作曲ですが、ここからは変わって小倉大志さんの作曲(編曲は旭井翔一さん)。既に存在している曲で、オリジナルの編成には弦楽器も入っているのだとか。元々ある曲をSumikaさんはどう表現してくれるのでしょうか。ちなみに私はこの組曲を聴くのは初めてだったので、まっさらな気持ちで感想を書かせていただきます。

4.旅立ちの夜 – Prelude to Departure

 

また何かが始まりそうな、そんな感じがする曲です。旅立ち前夜、様々な思いを背負って宇宙に向かおうとしている曲…だと思うのですが、よし行くぞ~!うお~!というような雰囲気は全くなく、何か決意を胸に秘めているような重みがあるような感じがします。この曲も静かですが底に意志を感じるのです。

5.St. Patrick’s Day – Emerald Planet

 

アルバム全体を通してこれだけがローマ字だったので異質な何かを初めから感じていました。そしてこのタイトルは何だろう…と。英語が全然わからないのと知識がないことがここでバレてしまうわけですが、調べたところ「St. Patrick’s Day」とは「聖パトリックの祝日」でアイルランド発祥の伝統ある祝祭日、キリスト教を多くの地に布教した聖パトリックの命日なのだそうです。

「緑」という色が重要な日ということですが、この曲の副題にEmerald Planetとあります。エメラルドな惑星…。これが組曲の一部として2曲目に来る…エメラルドプラネットとは地球か…?だとすると前の曲で宇宙に旅立つ準備をしていた人たちはここで宇宙から地球を見たのか…?考察が楽しい!!あ、曲、カッコよくて勇ましさがありとても好きです。

6.新しい街 – Cosmic City

 

これは新しい!Sumikaさんの曲にはない…というと勝手に何をという感じですが、真っ先にそう思いました。聴いたことのない感じがしたからです。お洒落と一言で言ってしまうとそこで終わるのですが、表現が難しい……ダンディーな感じがします。変なことを言いますがすごくサックスらしいというか、サックスってこういう大人っぽい音が出る楽器だよなぁと思いました。

タイトルは新しい街。今までに見たことのない惑星に辿り着いていたらいいなぁ。夢とロマンと妄想が広がります。この曲のイメージカラーは黒だと思います。大人の黒。

7.古(いにしえ)の星 – Ancient Sphere

 

2分ほどの短い曲ですがすごく胸にくるものがあって本当に好きです。この静寂…たまらない。高速で指を動かす等の超絶技巧と呼ばれるような技術はパッと見てもその凄さがわかると思うのですが、この曲のような同じ音を綺麗に安定して長く伸ばし続けるという技術も凄いと思うんです!!本当に綺麗なロングトーン、美しすぎる…。寄り添うそうなピアノの音も素敵です。心が浄化されていきます。悠久の時を感じるタイトルも好きです。

8.星降る丘 – Starry Hill

 

降っている…星が。そこにあるのではなく確かに「降っている」。そう感じました。この流れるような3拍子も素敵ですね…!これも演奏する側はかなり難曲なのでは…?と思うような複雑さも聴いていて感じます。この曲は音の数も多そうで一見ごちゃごちゃしているような感じがしなくもないのですが、そのごちゃごちゃが綺麗なんです。ありますよね、たくさん音があるのにまとまっていて芸術的な美しさがある曲。それです。最後たたみかけてくるところも最高だと思います。

最後の曲がこの華やかさ。すごく気持ちよく聴き終わるアルバムで、あ~良いものを聴いた~という気持ちにさせてくれます。

最後にまた感想

ちょっとびっくりしているのですが、このアルバム、頭から全部聴いても35分くらいなんです。そんな短かったか?と思うのと同時に、何らかの超大作に触れたような充足感もあります。不思議な気分です。

曲の一つひとつはもちろん、ジャケットやCDそのもののデザイン、曲のタイトル、何から何まで美しく、これこそがCDアルバムというひとつの「作品」なんだなと思いました。言われなくてもこだわって作ったんだなということがわかります。芸術品だと思います。

ずっと聴きながらこれを書いているのですが、聴いている間は違う世界に行っているような、良い意味で現実逃避をさせてくれるような、心地よい満足感が常にあります。素晴らしい作品に今回も触れることができて嬉しいです。

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前作の感想↓

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