本展はサンディエゴ美術館と国立西洋美術館の所蔵品計88点を組み合わせ、
作品をどのように見ると楽しめるかという観点から、鑑賞のヒントをご提案します。サンディエゴ美術館から出品されるジョルジョーネやサンチェス・コターンなど、
世界に冠たる傑作を含む49点はいずれも日本初公開。ルネサンスから19世紀末までの600年にわたる西洋美術の歴史をたどりながら、ひとりひとりの 「どこみる」を、ぜひ会場でお探しください。(公式サイトより)
どこ見ようかな~。
どこ見る?
約1年ぶりの国立西洋美術館です。あの挑戦的な展覧会からもう1年経ったのか…とびっくりしつつ、やっぱり国立西洋美術館ってこういう感じだよな~なんて、わかったようなことを言ってあれですが、そう思いました。
この展覧会は作品を「比べて見てみる」ことがテーマとなっています。国立西洋美術館とアメリカのサンディエゴ美術館から選ばれた2つの似た作品が並べて展示されていて、同じ部分や違う部分を楽しんだり、ここを見ると面白いよ~といった解説を読んでみたり、そんな感じでした。
ジャンルや時代はあまり関係なくいろんな絵画が展示されているので、それだけも美術館に来た!という感じがして良いなと思いました。基本的に2つの作品が横並びになっているので、どっちが好きか考えるだけでも楽しいかもしれません。
そして、私は宗教画や人物画には興味があまり沸かないな~とつくづく思いました。こればっかりは好みなので仕方なさそうです。線の細かさや色使いが綺麗だなぁとは思うんですけどね~。
(フアン・サンチェス・コターン 「マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物」 サンディエゴ美術館蔵)
対して、静物画は好みです。特に、展覧会のメインビジュアルにも使われているこの作品はとても印象に残りました。スペインの静物画を取り上げたコーナーの一角にあった作品ですが…なんか変なんですよねこれ。どこに食べ物置いてあるんだろう…って。後ろは真っ暗だしキャベツは吊り下げられているし…見れば見るほど不思議で惹かれます。
(コルネリス・デ・ヘーム 「果物籠のある静物」 国立西洋美術館蔵)
静物画の色の感じが好きです。果物は特に好き。
(ベルナルド・ベロット 「ヴェネチア、サン・マルコ湾から望むモーロ岸壁」 サンディエゴ美術館蔵)
ほか、この作品も非常に印象に残りました。写真のように見えますが絵です。綺麗すぎて吸い込まれそう…風景がすぐそこにあるようでした。ずっと見ていたくなる作品でした。
おまけのような何か
作品解説は相変わらず易しくないな…と感じましたが、そういうのは抜きにして目の前にある作品をただ見るだけでも良いのかもしれません。作品の背景を知ることは楽しいし、それにより鑑賞が深くなることもあるとは思いますが、並んだ作品をただ観て、わ~良いな~と感じる。芸術鑑賞とはそれだけでも十分なはずです。
西洋絵画をどこから見るか、それはきっと人によって違い、どこからどう見ようが正解はないというのが答えなんだろうなと思いました。
この日は平日だったのですが、周囲の施設含めて修学旅行で来たっぽい学生たちがたくさんいました。私が芸術鑑賞に興味を持ちだしたのは大人になってからなので、若い頃からしかもおそらく修学旅行でこういう場所に来られて良いな~と思いました。
国立西洋美術館は常設展もすごく良く、いわゆる有名画家の作品がたくさんあります。私も久しぶりに常設展示を堪能したかったのですが、美術館と博物館のハシゴで疲れすぎて常設展示を観る元気は残っていませんでした。そろそろ展覧会3か所のハシゴは厳しいのかもしれないです…体力的に…。
【公式サイト】西洋絵画、どこから見るか?-ルネサンスから印象派まで サンディエゴ美術館VS国立西洋美術館
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