ドイツ第4の都市、ケルン市が運営するルートヴィヒ美術館は、20世紀から現代までに特化した世界有数の美術館です。その優れたコレクションは、市民からの寄贈をもとに形成されてきました。本展覧会では、館名に名を冠するルートヴィヒ夫妻をはじめとするコレクターたちに焦点を当て、ドイツ表現主義や新即物主義、ピカソ、ロシア・アヴァンギャルド、ポップ・アートなど、絵画、彫刻、写真、映像を含む代表作152点をご紹介します。(公式サイトより)
ルートヴィヒ美術館展
全く知らない美術館でした!世界にはたくさんの美術館があるんだな~。なんてことを思いつつ、多くの収集家により寄贈された多様な芸術作品を有するルートヴィヒ美術館のコレクション、全身で浴びてきました。
この展覧会、節操がないです(言い方)。ひとつの美術館をテーマとする〇〇美術館展というタイトルの展覧会はよく目にしますが、多くの場合作品を時代ごとに展示したり作家ごとに展示したり、一定の流れのようなものがあると思うのですが、この展覧会はそういった流れをほとんど感じませんでした。全部で7章の構成はそれぞれが独立していて前の章から繋がっている感じがなく、次々と違ったタイプの芸術作品が出てくるような感じでした。
そこが良かったと思います。というのも、本当にいろんなタイプのアートがあって、特定の種類のアートを特別好んでいるというわけではない私はとても楽しめました。和洋中の料理が並ぶビュッフェのような感じでした。
とはいえ、全く統一感のない展覧会というわけではなく、歴史的にも色々あったドイツ(雑ですみません…深い知識がないもので…)にある美術館です。世界大戦を経験してから芸術家となった作家の作品や、戦争や社会や文化に対して強いメッセージ性を持った作品などもたくさんあり、社会と美術と人々の繋がりについて意識することができる展覧会だったようにも思います。
一番印象に残った作品はピカソの「アーティチョークを持つ女」でした。ピカソについては全く詳しくないですが、この絵から出ている圧が凄くて目が離せませんでした。物理的にも大きめの絵で迫力があり、ごちゃごちゃしているのに何故こんなにまとまって見えるのか…?
そして会場の最後にはムービーが用意されていました。「国や市は前衛芸術などの評価が定まらないアートを税金で買うことは難しい。だからこそ個人のコレクターがそのようなアートを集めることが大事だ」という雰囲気の内容(既に記憶が曖昧ですみません…)が語られていて印象深かったです。芸術作品をたくさん購入できるほどのお金持ちの思考は想像に及びませんが、ただの道楽で絵画を集めています~という感じではなく、個人コレクターとしての矜持を持って集めている人も割と多いのかもしれない…と新鮮な視点を与えてくれたような気がしました。
(↑唯一撮影OKだったハシビロコウ)
ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション (exhn.jp)
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