ユキシロ日記

ゲームのプレイ日記をメインに、博物館、美術館、音楽など。雑多な趣味ブログです。

水木しげるの妖怪 百鬼夜行展/東京シティビュー/2022.07

水木しげる生誕100周年を記念して、東京シティビューを舞台に水木しげるの妖怪世界を壮大な景色とともに存分にお楽しみ頂ける展覧会です。

本展では、水木しげるの描いた日本の妖怪たちがどのように生まれてきたかを紐解きます。江戸時代の絵師・鳥山石燕の「画図百鬼夜行」、昭和初期の民俗学者・柳田國男の「妖怪談義」など、水木自身が所蔵する妖怪関係資料を初公開。
そして百鬼夜行の名にふさわしく、水木しげるの妖怪画を100点以上にわたって一挙公開します。(公式サイトより)

妖怪に会いに行く

夏と言えば妖怪ですね!!!六本木の高い場所に集まった妖怪たちに会いに行ってきました。

良い天気。この東京シティビューという場所は美術館というより展望台なので、展覧会を楽しみながら景色まで楽しめるというお得感のある場所です。この日はとても良い天気で(暑かった…)、真昼間に行ったのでこのような景色でした。都会の街並みを見るのが好きなのでこういう景色は大好きです!

こちら、会場です。中央にドーンと百鬼夜行の文字。そして周囲には妖怪の名が刻まれた提灯が並んでいます。昼は昼で雲の感じが夏っぽくて好きですがこれは夜の方が雰囲気出そうですね~。

ARを使ったちょっとした遊びが用意されていたので私も遊んできました。控えめに潜んでいたアマビエ様をスマホ専用アプリのカメラで撮影すると、左写真のように動いて出てきてくれます。何種類かの妖怪がこの会場に潜んでいるのですが、一反木綿だけは近くにいたちびっこの「こんなところにいた!!!!」がなければ私一人では見つけられなかったと思います。知らないちびっこよ、ありがとう。

水木しげると妖怪

この展覧会は水木しげる先生と妖怪に焦点をあてたものなので、景色を見ながら妖怪たちと遊べるのはほんの一部。後半は水木しげるという人物がどのような人生を歩んできたのか、妖怪との出会い、妖怪に対する民俗学的なアプローチ、探求心、漫画家としての歩み等、盛りだくさんでした。正直こんなにしっかりした内容の展覧会だと思っていなかったので期待以上でした。(水木先生の妖怪画を解説付きでサラッと紹介する程度だと思っていました…)

幼少の頃「ゲゲゲの鬼太郎」のアニメをよく見ていた記憶はあるのですが、それがどの時代のアニメシリーズなのかは調べないとわかりません…。それくらいゲゲゲの鬼太郎は昔から今までずっと有名だし、それを抜きにしても妖怪といえば水木しげる!というくらいには、日本では名の知れた人だと思います。夏休みシーズンということもあってか会場には子供も多く、小さな子供がずっと鬼太郎のあの曲を歌っていたり妖怪の名前を楽しそうに叫んでいたりして、こんなに小さな子供にも妖怪という存在は魅力的なんだ…!と思いました。大人も子供も、多かれ少なかれ水木先生の影響を受けている気がしてなりません。彼の妖怪に全く触れずに育っている人は少ないのでは?と思います。

漫画家であり妖怪の研究者でもあった水木先生。生前に収集した妖怪に関する文献や彼自身が大きな影響を受けたという民俗学の書籍や江戸時代に描かれた浮世絵などの紹介もあり、水木先生のやってきたことを紹介するだけではなかったところがとても良い構成だなと思いました。

妖怪画を描く時、水木先生は過去の文献や資料をとことん調べた上で描いていたそうです。想像でオリジナルの要素を追加するのではなく、資料や伝承に基づいて描く。また、水木先生の妖怪画は妖怪だけではなく例えば驚いている人間も同じ絵の中に描いているものが多いですが、これは人間がそこに描かれていることでその妖怪がどんな妖怪かという「物語」が感じられるように、ということを強く意識していたからなのだとか。

ただの絵ではなくまるで生きているかのような…空想上や伝承上の存在というよりは見えないだけでそこにいるような…。そんな感覚にさせてくれるのは水木先生の妖怪にかける熱い思いやこだわりが伝わってくるからなのかもしれません。

おそらくこの先も、彼の妖怪画や漫画や研究結果は残り続けます。時に子供たちに夢とワクワクを与える存在として、時に民俗学の重要な研究資料として。様々な形で大切なものを残してくれた水木先生は偉大な人だったんだなぁと改めて思いました。

あの日の思い出

妖怪…。「目には見えないけれど多分いるだろう」と、思います。私は会ったことがありませんがそれはまだ会ったことがないというだけで、きっとそのへんにもたくさんいるんだろうなと思います。

水木先生が亡くなってからもう何年も経ちますが、よく覚えていることがあります。当時ツイッターを見ていて、水木しげるが亡くなったというニュースは当然話題となっていたのですが、著名人が亡くなった時の暗く悲しみに満ちた空気感とはちょっと違った空気が流れていました。

遂にあちらの世界へ旅立ったか…とか、この世に飽きて向こうに遊びに行ったのかもしれない…とか、今頃妖怪たちと楽しんでいるのだろう…とか。そういったことを言っている人がたくさんいて、悲しんでいるというよりしみじみと送り出しているような空気が漂っていたのです。私も長くツイッターをやってきましたが、あの時の感覚は水木先生が亡くなった時にしか味わいませんでした。不思議な感覚でした。

もうすぐお盆の時期ですね。水木先生もしれっとこちらに来るのでは?妖怪たちと一緒に。

水木しげるの妖怪 百鬼夜行展 ~お化けたちはこうして生まれた~ (roppongihills.com)

-------------------

美術館関連の感想まとめは【こちら】からどうぞ

にほんブログ村 その他趣味ブログ 多趣味へ
ランキング参加中です。気が向いたらクリックお願いします