
ある作品を見た時、「えっ?」「おっ!」「うわぁ…」と感じたことはないでしょうか?こうした言葉にならない「心のざわめき」は、作品をよく見るための大切なきっかけとなるはずです。
今回のテーマは「ぎゅうぎゅうする」「おりおりする」「らぶらぶする」「ぱたぱたする」「ちくちくする」「しゅうしゅうする」の6つ。まだまだ知られていないサントリー美術館のコレクションを通して、作品を「見る」という行為を意識して愉しみながら、日本美術のエッセンスを気軽に味わっていただける展覧会です。(公式サイトより)
2021年に開催された「ざわつく日本美術」の第2弾!超期待!
久々のざわつき
まず、第1弾が2021年というのが信じられなくて心がざわついています。その時の感想↑にも書いているのですが、第1弾の「ざわつく日本美術」は本当に楽しい展覧会で、コンセプトも展示方法もメッセージもみんな好きでした。
今回はその第2弾。各章のテーマは違いますが見せ方の面白さ、親しみやすさ、気軽さは健在!やはりこの美術館、かなり頭の柔らかい学芸員さんがいると思われます…!
ざわざわする

展示構成第1章「ぎゅうぎゅうする」より。最初から飛ばしていてニッコリ。日本美術の所蔵品が多い美術館とは思えない解説パネルのうるささ大好き。

(「色絵寿字宝尽文八角皿」)
展示物を食う勢いの解説!何が何でもお皿に描かれているもの全部解説してやるぞ!という熱いパッションを感じます。

(桐鳳凰図屏風)
第2章「おりおりする」では、ほか展覧会では観たことがないような折り曲げられ方で展示されている屏風がありました。斬新すぎる。

しかし屏風とはその美しさを鑑賞するためだけに作られたものではなく、昔の人々は屏風をパーテーションのような仕切りとして使ったり、囲って中を外から見られないようにしたり、様々な折り方で使用していたそうです。
中には描かれた絵が全く見えなくなるような使い方もされていたようで、新たな発見ができたような気持ちになりました。

ミニ屏風の模型を自分で折ってみることができるコーナーあり。

屏風の模型もそうなんですけど、この姫君アクスタ(?)はどこから持ってきたんだろう…と思ったら謎のツボにハマってしまいました。もしかしてこの展覧会のために…作った…?

日本美術の所蔵品が多い美術館とは思えないポップなパネル。

実はガラス製品の所蔵品も多いサントリー美術館。最後の方ではガラスの展示もありました。普段こうやって収まっているんですね…!整然としていてとても綺麗。この状態で観るのも好きかも。
まとめのような何か
毎回同じことばかり書いてしまいますが本当にそうなので仕方あるまい。サントリー美術館は見せ方と解説がやっぱり上手いですね!
小難しさが一切なく本当に「気軽に」美術館を楽しむことができます。余計なお世話でしかないことを承知で言わせてもらうと、場所が六本木でなく仮に上野だったら…もっと賑わうんじゃないかな~と思いました。
いつ行っても観客の年齢層高めに思えるんですよねこの美術館。それももちろん悪くはないですが、この親しみやすさならもっと若い人にも行ってほしいな~と思って勿体なく(?)感じてしまったりして…。
それにしてもこのコンセプト、私はとても好きなので是非また数年後に第3弾をやってほしいですね~。いつも斬新な楽しみ方を発見させてくれてありがとうございます!

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