ユキシロ日記

博物館、美術館、音楽、ゲーム等の感想、その他書きたいことを書くことにしています

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日本美術の裏の裏/サントリー美術館/2020.11

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東京ミッドタウンに初めて行きました。六本木には何回か行ったことがあったのですが、ミッドタウンってこういう施設だったんですね!高いビルだなぁ。そして六本木には美術館がとてもたくさんあるということを知りました。この日は2カ所行ったのですがまずはここ、サントリー美術館から。

裏が見たい

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生活の中の美の“愉しみ方”に焦点をあて、個性ゆたかな収蔵品の中から、日本ならではの美意識に根ざした作品をご紹介します。古の人々の愉しみ方を知り、追体験することは、現代人にとって知られざる裏ワザ鑑賞と言えるかもしれません。
「裏」には、見えない部分だけでなく、奥深く、隠された内部という意味があります。日本美術をより深く愉しめるように、教科書では教えてくれない面白さの一端をご案内します。

公式サイトより。この説明文に惹かれて行くことを決めました。好きそうな香りがしたからです。裏とは何か!裏の裏って表なのでは!…謎は深まるばかり。ちなみに日本美術のことは全然わかりません。

見せ方と解説が良かった

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第1章: 空間をつくるより。会場内このようなかんじ(右の写真)で、屏風が展示してあるコーナーは襖で区切られていたり、ススキが描かれた屏風の横にはススキの模型?があったり、どこを見ても工夫が凝らしてあって素敵でした。展示物をただ飾るだけではない見せ方の面白さを感じることができました。

屏風のような大きなものに風景が描かれる時は春夏秋冬が全部つまっている等、現実世界にはない風景が描かれることも多いらしく、解説文の中ではそれを「元祖『仮想現実』」と表現していました。良いですね!

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こちらは第2章: 小をめでるより。人々は昔から「小さいもの=可愛い」と思っていたようです。ですよね!わかります!精巧なつくりの雛道具がたくさん展示してありました。

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第3章: 心でえがく。上手とは言えない絵が描かれている絵巻などが展示してあります。ここの章の解説もまた良かったんですよ。本物そっくりに描くことだけが評価の基準ではなかったこと、このような作品が残っているということは何百年も前からこのような絵の価値を認め大切にしてきた人がいたということだと。

ここで紹介されていた「かるかや」という絵本、確かにこの挿し絵は見れば見るほどじわじわくるものがあるように思いました。でもどう見ても私よりはお上手です。絵に関して私は人のことをどうこう言える立場ではないのです…。

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こちらは「新蔵人物語絵巻」。このような小型絵巻は素人(特に女性)がプライベートで描いていたものと考えられているそうです。ちなみにこの絵巻の内容は、男装して宮仕えしていた少女の物語。帝に可愛がられていたが女だとバレてしまう→しかし帝はかえって興味がわき2人の秘密の恋が始まる。というような展開らしく、いつの時代も女のオタクってやつは!…と思いました(笑)

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第4章: 景色をさがすでは、焼き物が焼かれる時に炎がつくりだす変色や焦げ(これを「景色」と呼ぶそうです)によって見る方向により違った印象になる作品が展示されていました。360度なめるように作品を見られるようになっています。私はここのコーナーが一番好きでした。

焼き物に決まった正面はなく、見る人によって正面は変わるのだと。あ~これがこの展覧会のキモか~と思いました。表も裏も見る人が決めればいい、正解はない。芸術は見る側によってほとんどの要素が決まるのではないか…なんてことをぼんやり思っていたりするので、この展示はまさにしっくりくるというか、面白いものばかりでした。

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どの角度が良いかな~。

全体的に

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ほかにもたくさん魅力的な展示があったのですが、全体を通して思ったのが「見せ方が上手い」ということでした。一見すると何がなんだかわからない、何が魅力なのかわからない、そんな日本美術を来る人に知ってもらいたいという主催側の方々の意気込みをひしひしと感じました。

昔の人が行っていた和歌のやりとりを現代のラップバトルに例えたりと、作品ひとつひとつの解説文もわかりやすく現代風になっていて、知識のない私でもこれはこんな意味なんだと理解できるようになっていたのはありがたかったです。

また、モノの見方は多様であること、モノの裏に隠れている見えにくい部分にも大切なことが隠れていること、そんなことを教えてくれる構成になっていて素晴らしかったと思います。私はこういうことに気付かせてくれる展覧会が大好きです。何事も見えている表だけが真実…ではないよなぁと思いました。

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