ユキシロ日記

ゲームのプレイ日記をメインに、博物館、美術館、音楽など。雑多な趣味ブログです。

【雑記74】正社員にならなければ…と思っていた話

10年以上前の話

忘れもしない、あの日の8月。

3月に大学を卒業してから数か月が経った頃、高校時代の友達から久しぶりに集まろうよ~と連絡がありました。みんなこの4月から生活が大きく変わっているので、近況報告を兼ねてちょうどいいタイミングで開催されていた花火大会に行くことになりました。

当日。私以外の4人はみんな浴衣を着てきていました。私だけがそのへんに着ていくようなただの服を着ていました。これは私が仲間はずれにされているとかそういう話ではなく、どうやら花火大会に行く時は浴衣を着ていくのが普通のようなのでした。当時の私はこの時浴衣のゆの字も頭に浮かばなかったし、それどころではない状況でした。

私は、就職先が決まらないまま大学を卒業しました。

就職活動は人並みにやっていて何社受けたかわからないくらい面接も受けましたが結果はすべて駄目で、卒業までに就職先を決めることができませんでした。就職難と言われていた年ではありますが、今思えば自分が何をやりたいかも全くわからず特技もなく、かといって目標や野心や向上心といった未来へ向かうための強いパワーがあるわけでもない、何もない大学生が内定を取れないのはそりゃそうだろう…と自分でも思います。採用する側の企業にとって何の魅力もない学生でした。

4月になり、大学生ではなくなったけれどどこの企業にも入社できなかった私は「属する場所」を失った状態でした。これがなかなか精神的に苦しく、自分は無価値なんだ、生きている意味なんてない、とまで考えるようになっていました。

これに関しても今思えば「そんなことはない」と断言できますが、当時の私は「正社員にならなければならない」と思い込んでいたのです。

そんなメンタル不安定な状態で花火大会に行ってしまったわけです。自分以外のみんなは綺麗な浴衣を着て、4月から入社した企業の話や仕事の話をしていました。いつもと同じような顔をしてみんなの話を聞いていたつもりでしたが、帰り道、一人になって我慢ができなくなり、ボロボロ泣きながら帰りました。

この泣きながら帰った時のことを、10年以上経った今でも鮮明に覚えています。

みじめだったんでしょうね…。大学までは割と順調に人生を歩んでいたような気がするので、ここが自分にとって初めての躓き経験だったのかもしれません。親からのプレッシャーも酷く、レールから外れてしまった不安もありました。

その後、若者向け就職支援事業に参加したり、正社員で就職したり退職したり、契約社員、派遣社員、様々な働き方をしながら今に至ります。短期離職多数、無職期間多々あり、適応障害になり休職したこともあります。

5年くらい前の話

もう5年ほど前の話になりますが、初めて心療内科に行き適応障害という診断を受け、仕事を休職することになった時、また私は思いました。「レールから外れてしまった」と。

この時は正社員として働いていて、この職場に決まるまでの無職期間も長かったので、せっかく正社員として就職できたのにまた駄目になったことで相当落ち込みました。メンタル系の疾患で病院にお世話になったのも初めてで、自分は仕事の能力も大したことがなければメンタルも弱いんだな…と、色々ボロボロでした。

その後この時に働いていたところは数か月の休職後に復職することなく辞めました。金銭面の不安があったのでとにかく働きたいと思い、選考に時間がかからない派遣社員としての働き方を視野に入れて仕事を探したところ、すぐに仕事が決まりました。

おそらくこの時に、私の中で何かが吹っ切れたのだと思います。正社員じゃなくていいや、と思ったのです。

ここで働き始めた派遣先企業には本当にお世話になりました。色々なことがありすっかり自信を失っていた私ですが、ここで働いていくうちに少しずつ元気になっていきました。この頃は仕事だけでなく趣味もとても充実していた記憶があります。いろんなところに遊びにも行っていました。

今の話

働くとは、正社員で働くこととイコールではないんだと、今の私は思っています。

親の圧力、学校の圧力、謎の世間体…。色々なことが集まって、卒業後は正社員にならなければならないと思い込んでいました。しかし、それは周りに流されていただけでした。

正社員という働き方の否定がしたいわけではありません。いろんな働き方がある、もっと言えばいろんな生き方があるんだということに気付いたということです。インターネットを見ているとフリーランス、個人事業主、ユーチューバー、クリエイター、どうやって生きているのかわからないような人たちがたくさんいます。会社に属さず生きている人が大勢いる。学生時代の自分には見えなかった人たちでした。自分がそうやって生きたいかというとまた別の話になりますが、本当にいろんな生き方があるな…と今は思います。

道は一つではなく、人生のレールなんてものは初めからありませんでした。あると思い込んでいただけでした。

今の就職事情については詳しくないですが、まだ正社員信仰が根強いのでしょうか。春は新しいことを始めなければならないような気がしてしまう季節なので、ワクワクしている人もいれば不安でいっぱいな人も多いと思います。

この季節、4月からの生活が不安な人、特に若い人たちに伝えたいです。いろんな生き方があるよ、と。

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今回はこちら↓のお題に沿って書いてみました。良いお題ですよね。誰しも何らかの「しなきゃ」にとらわれながら生きていると思いますが、一歩離れて自分を見てみると新しい世界が広がるのかもしれないなぁと思います。

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