荒れ果てた屋敷に巣くう不気味な妖怪や、怨みを晴らそうと恐ろしい形相で睨みつける幽霊。浮世絵にはさまざまなお化けが登場し、時には見る者を怖がらせ、時にはそのユーモラスな姿で笑わせます。
本展では、歌川国芳や月岡芳年の名品をはじめ、妖怪や幽霊を描いた浮世絵約170点(前後期で全点展示替え)を紹介いたします。この夏、お化け屋敷と化す (?)太田記念美術館にぜひ足をお運びください。(公式サイトより)
夏と言えば幽霊!夏と言えば妖怪!
展覧会の感想
夏休みの時期+初日+開館同時入場、という混むに決まっているというタイミングで行ったというのはあると思いますが、そうだとしても以前(3年以上前)行った時と比べて人の多さにびっくりしました。
さらに驚いたのは外国人の多さと、それを見越しているかのような解説文の英語完備!前行った時(3年以上前)はここまで外国人向けの解説は用意されていなかったような気がします。ここは浮世絵専門の美術館なので、日本文化を知ることができる場所として紹介されていたりするのかもしれません。
展示について。やっぱり良いですね、幽霊・妖怪・異形の者たち!浮世絵に描かれた彼らを見ると昔の人たちも興味津々だったようだし、彼らの存在が娯楽として受け入れられていたことがよくわかります。
と言っても、内容はなかなかドロドロしていて血生臭い…。日本の幽霊はどうしても怨念と結びついていることが多いように思います。殺された恨み、愛する者に裏切られた悲しみや憎しみ…。それは化けて出たくもなりますよね…というエピソードが添えられた浮世絵の数々は、多少の誇張があるとしても負の感情のパワーに満ちていて、この言い方は変かもしれませんが生き生きとしているな~と思いました。
展覧会は前期と後期で分かれていて、すべての作品を総入れ替えするそうです。私が行った前期の展示作品で印象に残ったのは、月岡芳年「新形三十六怪撰 ほたむとうろう」でした。
ほたむとうろう=牡丹灯篭。牡丹灯篭は先日トーハクの応挙館で聞いた怪談話!!(朗読会「夏の夜の怪談話」)
それまでの私だったらさらっと観て終わっていたかもしれませんが、牡丹灯篭の話を知ったばかりなのでこの浮世絵を見た瞬間「トーハクで聞いたやつ!牡丹灯篭のシーンだ!!!!」と一目でわかり大喜びでした。描かれたシーンの背景がわかるとやはり面白いものです。
ほかにも、お岩さん(四谷怪談)、お菊さん(皿屋敷)が描かれた浮世絵もあったので、お露さん(牡丹灯篭)を含めた三大怪談女性(?)が勢ぞろいしていました。夏は幽霊。
おまけ
太田記念美術館の地下に位置する手ぬぐい屋さん「かまわぬ」で一目惚れしたので「オクラ手ぬぐい」を購入しました。あまりにも良すぎるデザイン。
ほかにも今は妖怪グッズが前面に出ていたり枝豆やビール柄?の手ぬぐいもあったりと、好きな人は好きだろうなというデザインに溢れていたので、美術館に行く人はこちらにも是非。
そういえば昔どこかでオクラヘアピンを買ったことがあったな…と思い出し並べてみました。自分では意識していませんでしたがもしかしたらオクラが好きなのかもしれません。可愛いですよね、オクラ。
浮世絵お化け屋敷 | 太田記念美術館 Ota Memorial Museum of Art
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