
展覧会のメインビジュアルを見て気になったので行ってきました。
ロン・ミュエク(1958年オーストラリア生まれ、英国在住)は、革新的な素材や技法、表現方法を用いて具象彫刻の可能性を押し広げてきた現代美術作家です。
人間を綿密に観察し、哲学的な思索を重ねて制作されたミュエクの作品は、洗練され、生命感に溢れ、孤独、脆さや弱さ、不安、回復力といった人間の内面的な感情や体験を巧みに表現しています。(公式サイトより)
全く知らないアーティストでしたが、今回の展覧会がなかなか面白く私に強烈な印象を残してくれたので、はっきりと名前を覚えました。
こういうことがあるので知らないアーティストだったとしてもその人の世界を知ることができる展覧会は楽しいんですよね!

(ロン・ミュエク 「イン・ベッド」 カルティエ現代美術財団所蔵)
実際の人物よりもはるかに大きく、あるいは小さく造られるその彫刻は、私たちの知覚に対する先入観への挑戦でもあります。
同時に、実際に存在していそうであるというリアリティに肉迫する一方で、鑑賞者一人ひとりの解釈や思索を促す曖昧さも残しています。神秘的でありながら圧倒的な存在感を放ち、私たちと身体との関係、そして存在そのものとの関係を問いかけます。(公式サイトより)
はるか昔からある「彫刻」という芸術。昔の作品も凄まじいものは多くありますが、この人の彫刻も凄いな!と観れば観るほど思いました。
人間の肌の質感、髪の毛、体毛の生え際…等、リアルすぎて写真では彫刻かどうかわからないのでは?と言いたいところですが、ロン・ミュエクの作品は私たちが知っている人間からはかけ離れたサイズ感なので、頭が混乱してきます。

(ロン・ミュエク 「エンジェル」 個人蔵)
あまりにもリアルでそこに存在している感が凄いのに、絶対に人間ではない。リアルと非リアルが混ざり合っているような不思議な感覚になる作品ばかりで、混乱しつつも引き込まれるという面白い体験をしました。

森美術館の外が見えるこの部屋、今回はこちらの作品が展示されていました。良いですね。配置が良いです。エンジェルという名の作品ですが、エンジェルなのかなんなのかわからない存在が疲れたような表情でただそこにいる。
六本木のギラギラした夜景を見るわけでもなく、自分を観に来た人間たちを見るわけでもなく。

(ロン・ミュエク 「マス」 ビクトリア国立美術館所蔵)
展覧会の目玉になっていそうなこちらの作品。大量のでっかい頭蓋骨が広い部屋のあちこちに置かれていました。頭蓋骨は100個あるそうで、配置は作者本人が決めたと解説にありました。
こういう作品は空間丸ごと作品というタイプで配置が重要ですよね。ここでは鑑賞者が頭蓋骨の密集地帯に入り込んで行くような置き方になっていて、中にはこの作品を背景に自分が写った写真を撮っている鑑賞者もいました。(森美術館では珍しく?若い人がたくさんいたのも印象的でした。)
なんだかその光景がすごくシュールに見えて、もしかして、そうやって思い思いの鑑賞体験をする私たちも含めて作品なのか…?なんてことを考えてしまう不思議空間でした。
部屋にどーんと置かれるタイプの作品ばかりで解説が多いタイプの展覧会でもないので、全て見て回ってもそれほど時間はかからないと思います。
しかし、一つひとつの作品にインパクトがあり、良い意味で混乱できる良い展覧会だったと思います。現実世界も訳がわからないことばかりで混乱しますが、アートを観て混乱するのは楽しいです。
間近で観て初めて面白さを感じられる作品ばかりだと思ったので、今回来ていなかった作品もいつか観てみたいです。
ロン・ミュエク | 森美術館 - MORI ART MUSEUM
六本木クロッシング2025展
マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート
ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ
私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために
ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会
アナザーエナジー展
STARS展:現代美術のスターたち—日本から世界へ
未来と芸術展
------------------------
美術館関連の感想まとめは【こちら】からどうぞ