
ソル・ルウィットは1960年代後半、目に見える作品そのものよりも、作品を支えるアイデアやそれが生み出されるプロセスを重視する試みによって、芸術のあり方を大きく転換しました。
ルウィットの指示をもとに、ほかの人の手で壁に描かれるウォール・ドローイング、構造の連続的な変化を明らかにする立体作品など、その仕事は「芸術とは何でありうるか」という問いを投げかけています。(公式サイトより)
一瞬ポカーンとした後にほ~!となるような展覧会だったように思います。

(ソル・ルウィット 「不完全な開かれた立方体」)
天井が高くとっても広い展示空間にぽつんと置かれた作品たち。壁はほとんどなく、ひとつの広い空間を丸ごと使って作者のことを感じてほしい…そんな美術館側の意思を感じました。
ソル・ルウィットという人物は初めて知りましたが、こういう感覚を持った人がいたことを知れて良かった、というのがこの展覧会の一番の感想です。

目に見える作品そのものよりも、作品を支えるアイデアやそれが生み出されるプロセスを重視する
というのがこの人の芸術観だったそうです。上の写真、作品名です。まるで何かの指示書…こんなタイトルの作品は初めて見ました。いやこれはタイトルとは言わないのかも…プロセス…?(混乱)
数学の問題かな?とも思ってしまうような文章の指示に従ってソル・ルウィット本人ではなく別の人間が描いた作品が以下です。

(ソル・ルウィット 「ウォール・ドローイング #283」)
やはり数学の問題かな?点Pは~とか言い出しそうですもんねこの作品。
偏見ですが、多くの芸術家や何らかの作品を創作している人は、これは自分の作品である!ということを強く意識するものだと思います。
対してソル・ルウィットは、創作するのは他人で自分はアイディアを出して指示するだけ。できあがったものだけが「作品」なのではなく、そこに至るまでのアイディアも作品だと。そういうことなのでしょうか。
承認欲求で溢れる現代ではびっくりするような考え方だと思います。芸術の分野にもAIが浸透し、もはや誰がそれを描いたのかわからないような絵や動画も出てきています。
「アイディア」に著作権はないとされていますが、今後どうなるかはわかりません。芸術とは何か、その作品は「誰が」作ったのか。色々と考えさせられて面白かったです。
ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー | 展覧会 | 東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO
------------------------
美術館関連の感想まとめは【こちら】からどうぞ