
現代よりもはるかに寒冷だった4万年前の氷河期は、人類や、マンモスなどの巨大な動物たちが共に生きていた時代です。彼らの中には、絶滅したものもいれば、生き残ったものもいます。
本展では、この時代を生きた動物たちや人類について解説し、その命運を分けた氷河期の謎に迫ります。
注目は、日本初公開となるネアンデルタール人とクロマニョン人の実物の頭骨。
そして氷河期を生きた巨大動物たちの大きさを、会場で是非体感してください!(公式サイトより)
暑さが厳しい今の時期にピッタリかもしれない氷河期展に行ってきました!
氷河期とは…
「氷河期」とは…陸地を覆う、厚い氷の塊である氷床が広く存在する時代。つまり!現在も!!氷河期と言えるのです!!!
まず驚いたのはこれ↑でした。南極などに氷床が存在する限り地球はずっと氷河期ということになります。ただ、近年言われている通り、進み続ける温暖化によりその氷もどんどん減っています。
現在は氷河期の中でも比較的温かい「間氷期」と呼ばれる時代とのこと。今夏の科博の展覧会は4万年前の世界。同じ氷河期と言っても今よりずっと寒かった「氷期」の時代がテーマです。
4万年前の世界を生きた動物たち

(ケナガマンモスの生態復元模型 ライス・エンゲルホルン博物館所蔵)
でっかいねぇ~!毛が長くて温かそうだねぇ~!!!!!ちびっこケナガマンモスかわいい。

(ケナガマンモスの全身骨格 ライス・エンゲルホルン博物館所蔵)
でっかい生き物の骨格…素晴らしい…。なんて美しい牙なんだ…。

(ケナガマンモスの下顎骨化石 栃木県立博物館所蔵)
この写真ではちょっとわかりづらいと思いますが、がっつり下の歯まで残っています。こちらは実物化石。この状態でそのまま残っているなんて凄すぎる。

(ステップバイソンの頭骨化石 ライス・エンゲルホルン博物館所蔵)
絶滅種ステップバイソンの実物化石です。形が良すぎる。

(ケサイの頭骨化石 ライス・エンゲルホルン博物館所蔵)
ケサイと言えば2022年の夏に科博でやっていた特別展(化石ハンター展)ではチベットケサイが取り上げられていましたね。いろんな生き物の頭骨がかっこよくて興奮します。

骨格もかっこよすぎる。
今回の展覧会は大型生物の復元模型や全身骨格の展示が多く、どれもとってもでっかいので迫力は凄いですが、それゆえかここ最近の科博の特別展と比べると全体的にサッパリしているように感じました。ボリュームとしては少なめかもしれません。
しかし、ドイツのライス・エンゲルホルン博物館やフランスのパリ国立自然史博物館から貴重な全身復元模型や実物化石や頭骨がたくさん来ています。何故かこの点が全然推されていないように見えますが、普段海外の博物館にあるものが日本に来ているというだけで見る価値があります!公式さん、もっと推してくれていいんですよ!!!(余談ですが…栃木県立博物館から来ているものも多い印象でした。いつか行ってみたいです)

ケガナマンモスの歯をなでなですることもできます。
4万年前の世界を生きたヒトたち

約4万年前の世界で私たちホモサピエンス(クロマニョン人)の祖先はどのように暮らしていたのか。別の人類(ネアンデルタール人)との関わりは…?等、今回の特別展の目玉となっている人類の頭骨も展示されています。

左がクロマニョン人、右がネアンデルタール人の復元模型です。すごくリアル。多分博物館の閉館後に動いていると思います。
こちらの復元模型について、作者のエリザベス・デイネス氏を紹介するパネルがあったことも印象的でした。古生物を専門とする芸術家としての紹介でしたが、こういう場で個人名を出して取り上げるのは珍しい気がしました。博物館では研究者の名前はよく出てきますが、模型を作る人の存在も忘れてはいけないな~と思いました。
いろんな人がいろんな知識や技術を私たち一般人に披露してくれる博物館という場所が大好きです。
これからの地球と自分

今回の展覧会は地球の気温の話を避けて通ることはできず、自然と気候の話に繋がっていきます。氷河期と一言で言っても寒い時代と暑い時代があることがわかりました。今は暑い時代とのことですが今後地球の気温が下がっていくようなことがあるのでしょうか…。
上のグラフは過去80万年の間の大気CO2を示したものです。80万年…気が遠くなるような期間です。想像することもできません。
ヒト一人、長く生きても100年くらい。こういう途方もない数字に触れると自分の小ささを実感します。私が博物館大好きな理由の一つなのですが、地球の歴史や規模に比べたら自分などあまりにも小さく弱い生き物で、こんなことを言ったら怒られるかもしれませんが、自分が何人だとか生まれはどこだとか血がどうだとか、どうでもよくなるんですよね。
人間一人ひとりを蔑ろにしていいという考えを持っているわけではないのですが、人間ってやっぱり小さな存在だな~と思います。だからこそ愛しいのかもしれません。
おまけ

科博めし!!!展覧会とのコラボメニュー「骨付き豚ロース肉 低温ロースト バルサミコソース ピマンタード添え」をいただいてきました!ぴまんたーどって何だろうか…(※トマト、ピーマン、ニンニクやタマネギをオリーブ油で炒め、唐辛子とトマトソースで煮たもの…だそうです。ラタトゥイユと似ている気がしました)
メニュー表で見た時はちょっとボリューム少ないかな?と思いましたがそんなことはありませんでした。お肉だけで結構がっつりな感じです。あまり得意ではないイチジクがふんだんに入ったサラダも美味しく完食!ごちそうさまでした!
さらにおまけ…アンモナイトクッキーゲットしました!
特別展「古代DNAー日本人のきた道ー」
特別展「鳥」
特別展「昆虫 MANIAC」
大哺乳類展3
特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」
恐竜博2023
特別展「毒」
WHO ARE WE 観察と発見の生物学
化石ハンター展
特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」
植物 地球を支える仲間たち
大地のハンター展
特別展「和食」
特別展ミイラ
恐竜博2019
大哺乳類展2
日本を変えた 千の技術博
特別展 昆虫
特別展 人体 神秘への挑戦
特別展 深海~最新研究でせまる“生命”と“地球”~
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