6月某日。1泊2日で箱根に行ってきました!目的のひとつはこの美術館に行くことでした。
ゴッホ・インパクト
ゴッホとポーラ美術館
わずか37年の生涯のなかで、数多くの絵画を制作したゴッホの名声を築き上げているのは、うねるような筆触とあざやかな色彩による独自の様式、そして何よりもその劇的な生涯に対する評価であると言えるでしょう。
わが国でも明治末期以降、個性と情熱にあふれたゴッホの作品や芸術に一生を捧げたその生き方は、美術に関わる者たちの心を揺さぶるだけではなく、文化、そして社会といった広範な領域にインパクトを与えました。(公式サイトより)
展覧会情報サイト等で面白そうな企画展を発見する度に気になっていて、昔から行ってみたいと思っていた美術館です。今回ポーラ美術館が所蔵する3点のゴッホ作品を同時に全部出す!ということで、今行かねばいつ行く!と思い、箱根旅行を計画しました。
美術館そのものについては後ほど書くとして、まずは企画展から!
(フィンセント・ファン・ゴッホ 「ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋」ポーラ美術館)
展覧会はゴッホの生い立ちを紹介するところから始まります。オランダで生まれ聖職を望み通りにはならず画家を目指すことにしたゴッホ、フランスのアルルで芸術家の共同体を夢見るも上手くいかなかったゴッホ、精神を病み療養生活をしながら絵を描き続けたサン=レミ時代、そして…。
ゴッホが人生を過ごしてきた場所ごとに解説がある感じで、これが良い意味でサッパリしていてわかりやすくて良いなと思いました。
(フィンセント・ファン・ゴッホ 「草むら」ポーラ美術館)
ゴッホの作品はゴッホの人生と共に観た方が良さが伝わってくる気がしているので、やっぱりこのような解説は大事ですよね!ただ絵がそこにある、という展示方法も良いですが、これが描かれた時ゴッホは…みたいなことを分かった上で観るとより心にくるものがあるというか…そんな気がします。この草むらすごく好き。
(林忠正編「パリ・イリュストレ」ポーラ美術館)
ゴッホは日本に興味を持っていて、浮世絵を模写したような作品もいくつか残しています。当時のパリで出版された雑誌でも日本が特集されていたということで、ゴッホもこういうのを見ていたのかなぁ、なんてことを想像すると猛烈に切なくなりました。(ゴッホの展覧会に行くとどうしても切なくなってしまいます…)
(フィンセント・ファン・ゴッホ 「アザミの花」ポーラ美術館)
今回私が一番観たいと思っていたこちらの作品!素晴らしかったです。ゴッホの描く植物、良いですよね!!!ひまわりやアイリスも好きですが色や葉の感じ、こっちの方が好みかもしれません。この筆圧もたまらない。
割と早い時間に入れたからか私が行った時はまだあまり人がおらず、この絵の周りにも全然人がいなかったのでしばらく堪能させてもらいました。美術館を出る頃には人も増えていて観光ツアー客らしき団体さんもいたので、やはり行くなら早い時間だなと思いました。
ゴッホと後の人々
展覧会の初めの方でゴッホの作品紹介はすべて終わり、中盤~後半はゴッホが後の世にどのような影響を与えたのか、どんな人たちがどのように影響を受けたのか、などを紹介しながら進んでいきます。
(前田寛治「ゴッホの墓」 個人蔵)」
展覧会の目玉はゴッホの3作品だと思いますが、この後のコーナーも個人的にはすごく気に入りました。私もゴッホの作品からは強い感情を感じますが、何かこう…人を引き寄せるものがあるんだろうなと改めて思いました。
前田寛治氏のこの作品も良いですね…寂しくて。日本でも戦前にゴッホブームが起きたことがあるそうで、ゴッホゆかりの地を訪ねる人も増えたのだとか。弟テオと並んで置かれているゴッホのお墓、私がここに行くことはないと思いますが、実際目の前にしたらしばらく動けないだろうな…と想像できます。
(フィンセント・ファン・ゴッホ 「ヒマワリ」陶板による再現 調布市武者小路実篤記念館)
そして最後にこちら。ゴッホが描いた7つのヒマワリのひとつ、1945年の空襲で焼けてなくなってしまった作品で、かつて日本に存在した幻のヒマワリとして語り継がれているものです。
当時、本物のこの作品を観る機会は当時2回開催された展覧会、日にちにするとたった14日間の開催時のみだったそうです。本物ではないですがこの作品を目の前で観るのは初めての経験でした。いろんなヒマワリがありますがこれも良いですね。
なくなってしまった作品は戻ってきません。今もこの作品が日本にあれば…と思わずにはいられませんでした。
ゴッホ・インパクト─生成する情熱 | 展覧会 | ポーラ美術館
初めてのポーラ美術館
ということで、初めてのポーラ美術館!
新宿駅から小田急ロマンスカーで箱根湯本駅へ→強羅駅→無料送迎バス、という流れで行きましたが、思っていたよりサクサク乗り継ぎできました。
ポーラ美術館は山の中にあります。バスを降りて入り口までの道もこんな感じで緑いっぱい。この先に美術館が待っている…!というワクワク感がとても良かったです。
入り口を入ってすぐの景色はこんな感じ。美術館の壁など全体的に白い造りで、それでいて緑の山々が視界に入ってくるようになっていてすごい解放感でした。
私は時間と体力の問題で行かなかったのですが、建物の外を歩くお散歩コースのような道も用意されていたので、涼しい季節なんかは特に良いだろうな~と思いました。森林浴万歳。
これは館内レストランの席から見た風景です。せっかく行って入れなかったら嫌だなと思い前もって予約して臨んだところ、窓際のこの席に案内してもらえました。良い眺めですね~。
旅行は非日常!なので奮発して、展覧会スペシャルコース「ゴッホと旅する」をいただきました。お洒落だ。
企画展にちなんだこのコースは、ゴッホが生涯で過ごしてきたいろんな国や地域の料理を楽しめる素敵なコースです。お洒落で美味しくて大満足!
デザートは和テイストのクレープ。日本に憧れを抱いていたゴッホにちなんで…ということですが、クレープの中に羊羹や求肥が入っていて不思議な食感でした。抹茶のアイスも爽やか!とても美味しく多幸感いっぱいなコースでした!
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