遺跡から発掘された古代の人々の骨に残るごく僅かなDNAを解読し、人類の足跡をたどる古代DNA研究。
近年では技術の発展とともに飛躍的な進化を遂げ、ホモ・サピエンスの歩んできた道のりが従来想像されていたよりもはるかに複雑であったことが分かってきました。
本展では、日本各地の古人骨や考古資料、高精細の古人頭骨CG映像などによって、最新の研究で見えてきた遥かなる日本人のきた道と、集団の歴史が語る未来へのメッセージを伝えます。(公式サイトより)
昨年から哺乳類、昆虫、鳥…と生き物テーマの特別展が続いていた科博。テーマは遂にヒトへ…!
古代を生きた人々
展覧会の副題となっている「日本人のきた道」。これを大きな軸として進んでいく感じでした。ここ1年の間でやってきた科博の特別展と比べるとビジュアル的なワクワク感は薄いかもしれませんが、今こんなことまでわかるのか!?という驚きはたくさんあって面白かったです。
その、こんなこともわかるの一例がこちら。ゲノム解析によりそれまではできなかった「個人」の特定ができるようになったことで、出土した人骨同士の「関係性」までわかるようになったと…!!
一緒に埋葬されているから血縁関係があるだろう…という想像ではなく、DNAを分析することにより、同じ母親を持つ姉妹であることがわかる。そんなことが解説されていて、実際にその人骨も展示されています。
骨からそんなことがわかるなんて…。知識が全然ないのでどうやって分析しているか等はさっぱりな私ですが、凄いということだけはよくわかりました。現代の技術を使えば髪の色や目の色、どんな病気に罹ったか・罹りやすいか等もわかるそうです。技術凄い。
それと、凄いと言えば映像も!
最新の研究を基に古代の人はこんな感じだった!みたいな映像が会場のあちこちで流れているのですが、その映像(8K)の綺麗さリアルさが凄くて、こっちの技術も凄いなと思いました。映像だけどすぐそこにあって触れそうなんですよ、綺麗すぎて。いろんなところ(博物館は特に)で結構前から使われているので今更かもしれませんが、改めて最新映像凄いなと思いました。
古代の創作、イヌもネコも
可愛すぎる出土品もたくさん。特に右の「クマ型土製品」、可愛すぎるでしょう。実物のクマはこんなにマスコットみたいな感じではないはず!明らかにデフォルメしてますよね!?
出土品がゆるくて癒されます。古代の人たちも創作を楽しんでいたのかも…と思うとすごく身近な存在に感じてきます。なんだそのイカは…可愛いねぇ。
展示されているこれらは複製品で、実物は国立歴史民俗博物館にあるとのこと。みんぱく、と呼ばれている博物館ですね!丸一日あっても足りないと噂をよく聞きます。行ったことない!行きたい!!!!
展覧会後半ではイヌやネコの動物についても触れられていました。少し前にニュースにもなり話題になっていた「ニホンオオカミ」の剥製も。間近で見られて嬉しかったです。
こちらは「動物足跡付須恵器」。ネコチャンの足跡がくっきり。今も昔も人間の邪魔をしてくる猫がいたんだな~とほっこりした気持ちに。
まとめのような何か
はるか昔、私も学校でこのあたりの歴史(縄文時代~弥生時代あたり)を学んできたはずですが、その記憶は遠くなっている上、現代の常識と昔の常識は違う部分もある。知識はどんどんアップデートしていかないといけないなぁ…としみじみ思いました。
大人になると勉強は仕事で必要だから…という理由くらいでないとなかなかやらなくなる気がしますが、仕事とは関係ない分野も学び直すという行為が必要なのかもしれません。
とはいえ時間をかけて書物を読んで…というのも大変なので、博物館で取り上げてくれるのは本当にありがたいな~と思っています。こういう特別展は素人向きに作られているので難しすぎないようになっているし、会場にいるだけでワクワクしてきます。
ありがとう科博、ありがとう博物館。これからも行きます。
特別展「鳥」
特別展「昆虫 MANIAC」
知られざる海生無脊椎動物の世界
大哺乳類展3
特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」
恐竜博2023
特別展「毒」
WHO ARE WE 観察と発見の生物学
化石ハンター展
特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」
植物 地球を支える仲間たち
大地のハンター展
特別展「和食」
特別展ミイラ
恐竜博2019
大哺乳類展2
日本を変えた 千の技術博
特別展 昆虫
特別展 人体 神秘への挑戦
特別展 深海~最新研究でせまる“生命”と“地球”~
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