1893年にスペイン、カタルーニャ州に生まれたジュアン・ミロ(1893~1983)は、同じスペイン出身のピカソと並び20世紀を代表する巨匠に数えられます。太陽や星、月など自然の中にある形を象徴的な記号に変えて描いた、詩情あふれる独特な画風は日本でも高い人気を誇ります。
本展は、〈星座〉シリーズをはじめ、初期から晩年までの各時代を彩る絵画や陶芸、彫刻により、90歳まで新しい表現へ挑戦し続けたミロの芸術を包括的に紹介します。(公式サイトより)
初めてのジュアン・ミロ
名前だけは知っていましたが、赤と黒と緑がど~ん!みたいな作品の人…という適当すぎるイメージしか持っていなかったので行ってきました。前知識はほぼ皆無と言っていい状態で行きました。
公式サイトには「ミロのすべてがここに」と書かれています。それはさすがに言いすぎだと思いますが、初期から晩年までの作品が展示されているので、時代を経て作風がどう変わっていったのか、激動の時代の中で社会の動きが作品にどう影響しているか等はすごく感じることができたと思います。
(ジュアン・ミロ「月明かりで飛ぶ鳥」 ナーマド・コレクション)
ミロだけに限ったことではないですが、戦争や内戦を経験している作家はどういう形であれ…やっぱり作品に影響が出ますよね…。良くも悪くも…芸術は社会と結びついています。
この展覧会では〈星座〉シリーズと呼ばれる作品の内、3作品が来ていました。「戦火を逃れながら、夜や音楽、星を着想源にして全23点が描かれました(公式サイトより)」とある通り、夜を思わせる色、いろんな線や形が複雑に繋がっているかと思えば妙にスッキリした印象もあり…。不思議な穏やかさを持っているような気がして3作品ともすごく好きになりました。
Pick Up!ここを見てミロ!|GALLERY ミロ展 Joan Miró 2025 3.1-7.6 東京都美術館
ミロはポスター制作も多くこなしていたそうで、その一部も展示されていました。ミロは「芸術家とは、ほかの人々が沈黙する中で声を上げる者である」と語ったそうです。表現の場を持つことができない一般の人々の声を代弁しようと努力していた…と。色々意見はあるかと思いますが、私も芸術にはそういう一面が確実にあると思っています。
この展覧会だけでミロを完全に理解したとは全く思いません。むしろ会場を出る頃にはこの人に対して興味が沸いてきてもっと知りたい!という気持ちになりました。全体的に色使いが好きな作品が多く、歴史的背景等抜きにしても好きな作風(展覧会で言うと後半のあたり)だな~と思いました。原色!線!記号!みたいな絵画、好きです。
おまけの美術館飯
東京都美術館のレストラン「ミューズ」、今回も行くことができました!
コラボメニューをいただいてきましたよ~。大満足。
素晴らしい。これに飲み物もついてきます。
(ジュアン・ミロ 「太陽の前の人物」 ジュアン・ミロ財団)
メインの料理はこの絵画が元になっています。好き。
ミロ展 Joan Miró 2025 3.1-7.6 東京都美術館
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