ユキシロ日記

ゲームのプレイ日記をメインに、博物館、美術館、音楽など。雑多な趣味ブログです。

国宝・燕子花図屏風/根津美術館/2023.04

数年前から存在は知っていていつか行きたいと思っていた根津美術館に初めて行ってきました!!とても…とても良かったです…!!!!

不慣れな駅(表参道)で降りて本当にこっちで良いのか?こんなところに美術館があるのか?と思いながら道を進んでいたら突然目の前に現れて驚きました。館内の雰囲気も庭園も最高に良くて、お洒落な都会の中にこのような場所があるということに感激しました。

国宝「燕子花図屏風」

尾形光琳(1658~1716)といえば、町人が担い手となって花開いた元禄(1688~1704)文化の立役者のイメージがあるでしょう。そして、そのイメージの中心に位置するのが、光琳40歳代半ばの代表作「燕子花図屏風」です。

しかし、視点をより高い位置において見ると、その前半生は、宮廷や幕府によって主導された近世前期の文化芸術のただ中にあり、また後半生は、円山応挙や伊藤若冲などの民間出身の個性派が活躍した18世紀後半の京都画壇を準備したと見ることもできます。

この展覧会は、「燕子花図屏風」を中心に、光琳がこの世に生きた期間に制作された作品で構成するものです。約60年の絵画の歴史を切り取ってご覧に入れます。(公式サイトより)

国宝「燕子花図屏風」と尾形光琳を中心に、彼が生きた時代を他の様々な作品を観ながら追っていくような構成の展覧会でした。

燕子花図屏風をこの目で見るのは初めてでした。まず燕子花(カキツバタ)と読むことを初めて知りました(そこから…)が、この作品は初めて見る気がしませんでした。おそらく教科書か何かで目にしたことがあるからだと思います。

ここ数年の間で着々と屏風が好きになっていく私ですが(松林図屏風の影響)、この燕子花図屏風も最高に良かったです…!輝かしい金色の背景に燕子花の濃い青が映える映える。美しさはもちろん、金と青と緑しかないのに鮮やかでものすごいパワーを感じました。

この青は高級な絵具を使って出された色だそうで、そんなことができる=強力な後ろ盾がいたことがわかるのだとか。尾形光琳は画家として優れていることを朝廷から認められていたそうなので、肩書の力もこの作品に影響していると考えるとなんとも味わい深い…ような気がします。

それにしても屏風って良いですね…!平面ではなく凹凸がある状態で完成品になるわけで、だからこそ他の絵画にはない魅力があるように思います。左右のバランスや色のバランスなど、考えないといけないことが多そうだし画家のセンスももちろんあるだろうし、よくこんなものを描けるな…と感服します。

離れた場所から観た時はわかりませんでしたが、近付いて観ると色が褪せている(?)部分やはがれている(?)部分もあって、こんなに美しい作品でも時が経つと劣化していくんだな…と寂しさを感じると同時に、時代を超えて守り続けてくれている美術館に対する感謝の気持ちも沸いてきました。(もちろん他の作品もでそうですが)いつまでも国の宝が大切にされますように。

庭園のカキツバタ

庭が有名な美術館だと聞いていたのでこちらも楽しみにしていました。入館料を払って館内に入った人は誰でも庭園に行くことができます。マップはこんな感じ。それほど広くないので疲れすぎることもなく、お散歩にちょうどいいなと思いました。

どこを切り取っても素敵すぎる景観。そこそこ人はいたのですがそれでも静かで鳥の声が聞こえたり魚が泳いでいたりと最高な空間でした。緑がよい。とてもよい。

そしてこのカキツバタ!!!尾形光琳の燕子花図屏風を観たあとに本物のカキツバタを拝める…なんて素晴らしい体験…最高すぎました。

カキツバタの見頃は5月上旬くらいまでだそうです。私は色としての紫にはそこまで強く惹かれないのですが、本物は息をのむような美しさでした。この日見ることができて本当に良かったと心から思います。

展覧会 / 開催中|根津美術館 (nezu-muse.or.jp)

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