東京都現代美術館では、現在、約5400点の作品を収蔵しています。その範囲は、戦後美術を中心に、近代から現代に至る幅広いジャンルに及んでいます。こうした収蔵作品を紹介する「MOTコレクション」展では、同じ作品であっても新たな視点から鑑賞できるよう、会期ごとに様々な切口を設けて作品を展示し、現代美術の持つ多様な魅力の発信に努めています。
今期は、休館中に収蔵された作品およそ400点の中から主に2010年代に制作された作品をご紹介した「MOTコレクション ただいま/はじめまして」を一部展示替えし、新たに3作家を加えて構成します。修復を終えた「ただいま」の作品とともに、フレッシュな「はじめまして」の出会いをお楽しみください。(公式サイトより)
現代アートについて
清澄白河駅で降りて10~15分くらいのところにある美術館です。現代アートを鑑賞したくなったらここ、という勝手なイメージを私は持っています。約2年前に行ったこの時は2回目で、その前はいつ行ったか調べてみたところなんと2009年のメアリー・ブレア展でした。2009年て!!
その後2016年から2019年の約3年ほど休館して大規模改修を行い、リニューアルオープン記念として開催されたのがこの「ただいま/はじめまして」という展覧会です。かつて行ったのが2009年ということで、リニューアルしたといっても昔の姿をほとんど覚えていない状態で行ったので、すべてが新鮮でした。初めて行ったような感覚でした。
私は芸術鑑賞が好きですが、詳しくはありません。特に現代アートは全然わからなくて、そもそも現代アートとは何かということもわかっていないような気がします。しかし観るのはとても好きです。
この美術館は天井が高く開放的で、展示空間一つひとつも広いです。そんな広い空間の中に展示される現代アート…。作品によってはその展示物という物体だけでなく展示空間も含めてその人の作品なのではないかと思うようなものもあって、鑑賞者としての自分がどの方向から作品を観るかによっても意味合いが変わるような気がします。そんな空間ごとアートと呼べるような作品を鑑賞することは、私にとっては楽しいことです。
また、現代アートの「解説文」がすごく好きでして、パッと見ただけでは何がなんだかわからないような作品を文章で説明してくれているのが解説文なのですが、これがまたわからない!(笑)解説文を読んでさらに混乱するなんてことも多々あります。
作者の意図を知ったからといって作品を理解できるかどうかは観るもの次第です。それでも、その作者が作品を通して伝えたいことはなんなのか、観て考えてやっぱりわからなくて…その繰り返しが楽しい、うまく言えませんが私が現代アート鑑賞を面白いと思うのはこういう「わからないを楽しむ」ことができるからかも、と考えています。
学生時代に哲学を専攻していた私にとって、現代アートは哲学的な要素を多分に含んでいると思っているので、そういうところも好きなのかもしれません。
ひろがる地図
ひろがる地図 | 展覧会 | 東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO
美術館の展示では、空想の都市の姿を詳細に描いた地図や、触覚や匂い、音などの感覚を表現した地図、そこに暮らす人の日常を可視化する地図など、さまざまな「地図」を紹介します。物語の断片を拾い集めるゲームブックや、質問に答えながら織り成すタペストリーも、まちとあなたの関係をマッピングします。海洋民族の作る不思議な海図や、ちょっとした誤解から描かれた古地図など、あなたの地図観を覆す地図も待っています。(公式サイトより)
この時はもうひとつ企画展が開催されていました。「地図」がテーマになっていて、美術館と地域の繋がりが強く意識されている企画展覧会です。体験型のような感じで面白かった記憶があります。
上の写真も展示のひとつなのですが、来場者が「東京について」書いた紙の集まりそのものが展示物となっています。ここに来た人たちが思う「東京」とは…。
人により思い入れの大小はあるでしょうが、この方が書いた内容が私の心に響きました。よく言えば自由なまち、私もそう思います。良くも悪くもその自由さが東京なんだろうなと、東京に住んで5年ほど経った私も思います。
この美術館はいろんなことを(言い方が悪いかもしれませんが)ごちゃごちゃとやっている印象なので、また行きたいなぁと思いながらこれを書いています。清澄白河駅から美術館に辿り着くまでの道(商店街?)もちょっと独特な雰囲気があるような気がしていて好きなのです。
MOTコレクション 第2期 ただいま/はじめまして | 展覧会 | 東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO
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