アートの魅力を女子目線で再発見「美術館女子」スタート 初回はチーム8小栗有以
https://deview.co.jp/News?am_article_id=2164510
というネットのニュース記事を発見し色々と思うところがあったので書きます。なお、はじめに書いておきたいのですが、ここで取り上げられている東京都現代美術館やAKB48の彼女を批判する意図は全くありません。企画について思うところがあるだけです。
公式ページは↓こちらから見ることができます。
まず企画のタイトルが良くない
インパクト重視なんだろうなとは思いますが、○○女子というやつは荒れるイメージがあります。実際にこの企画は炎上しているようです。タイトルだけが悪いわけではないですが、このタイトルは炎上やむなしといった感じがします。私もそうですが好きで美術館に行っているだけなのに○○女子なんて言葉でひとまとめにされたくないんですよね…。誰も得しない企画名だと思います。
「作品より自分」という見せ方
ニュース記事だけ読むのもアレなので公式ページも見ました。「AKB48のメンバーが各地の美術館を訪れ、写真を通じて、アートの力を発信していく。」というのが企画内容です。内容自体はとても良いなと思いました。しかしその先まで見ていくと、この「写真を通じて」の部分が曲者でした。
公式ページには何枚かの写真がスライド式で見られるようになっているのですが、ページをめくってもめくっても出てくるのはAKB48の彼女がメインになっている写真ばかりなのです。館内の作品を背景にした写真もありましたが、どう見ても彼女が被写体としてのメインで作品はただの背景でした。
「アイドルではなく、“作品”としての小栗有以」と書かれているページがあったくらいなので、この企画はそういう企画なんだとわかりました。美術館の作品を見に行くアイドルではなく、美術館を背景として自分が作品となっているアイドルがそこにいました。この企画はきっとアイドルのための企画なんだと思いました。
美術館の作品とは何か
今回舞台となっている東京都現代美術館には私も行ったことがありますが、現代アートを数多く展示している美術館で、正直に言うと複雑で難解でわけのわからない作品が多い印象があります。解説文を読んでも意味がわからず考えるな感じろ系の作品なのかな?と思ったこともしばしば。
しかしこういった現代アートは、物体だけでなく空間も含めて作品というような展示スペース丸ごと使って体感するようなものもあって、この企画ではその空間を壊すようなことをしているのでは…とちょっと思いました。既にできあがっている作品にアイドルを混入させて新たに撮った写真を掲載しているわけで、それってどうなんだろうと私は思いました。
美術館は何をしに行くところか
そもそもこの企画が何をしたいのかもよくわからなくなってきました。美術館女子という燃えそうなワードを使ってまで呼び込みたい客層は一体どこなのか。女性客を増やしたいのかと思えば写っているのは男性人気が高いと思われる女性のアイドルです。どこの層にも刺さらない気がします。
ここで気付きました。おそらくこの企画、美術館に来る人を増やしたい!という強い思いはそんなにないと思います。元々美術館に興味のない人がこの企画を見てよし美術館行ってみるか!となる可能性は限りなく低いと思います。だって作品がそっちのけな企画なんだもの…。
どんな思いを持って美術館に行ったって良いんです。映える写真を撮りに行くのも個人の自由だとは思います。でも、せっかく行ったのならやはり作品は観てほしいです。この企画は見せ方が微妙なので伝わりづらいですが、よく読むとモデルとなっているアイドルの小栗有以さんも作品鑑賞はしているっぽいです。それが伝わってこないだけで。
美術館は素敵なところです。軽い気持ちで行っても良いし知識がなくても良いし綺麗な格好でなくても行けるところです。一人の美術館好きとして言いたいことは「作品を観に行ってほしい」ということです。その上で何を感じるかは自由ですが作品を観なければ始まりません。
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